AKEBONO REPORT 2011
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曙ブレーキ工業株式会社一人ひとりの顔が見えるグローバル人事制度をめざす akebonoが真のグローバリゼーションをめざす上で避けて通れない課題のひとつが、グローバル人事制度の確立です。多様な文化や慣習、法規制があるなか、コンプライアンスの観点から、また、人財育成の面からも、グローバル共通の制度を導入し、人財開発の基盤を整備することが求められています。「2010年は、まず部門長以上の上級職にポジションクラスを適用し、グローバルグレーディングによる人事制度の導入を開始しました」(前上)。これを手始めに、日本と北米とで共通の制度を構築し、グローバルに横展開する計画です。「北米の人事のトップもSandra A. Murphreeという女性で、細かなルールづくりは彼女と意見を交換しながら進めています」(前上)。また、2011年7月には全世界で同じ内容の入社研修を行う『Akebono StandardPackage 』も完成の予定。「akebonoでともに働く喜びを伝えるための理念や歴史をまとめたものです。言葉や文章で伝えきれない部分は、モノづくり道場などを活用し、体感することで伝えていきたい」(前上)。人財育成のベースとなる職務経験やスキルが把握できるグローバル人財データベースについても構築を急ぎ、一人ひとりの顔が見えるグローバル人事制度を創りあげることが当面の目標です。人事・総務部門人財開発部 部長前上 亮子Akebono Standard Packageほか、グローバル人事制度については、p.22をご参照ください。ムダがない生産設備を見たい。その思いが原動力生産部門におけるグローバリゼーションの核はakebonoのモノづくりの原点でもあるAPS(Akebono ProductionSystem)を基軸にした標準化・共通化です。「ボッシュから事業譲渡を受けた北米工場でakebonoのモノづくりを導入する仕事に携わったことは貴重な経験になりました」(小嶋)。異なる企業文化の融合を図るなかで学んだことは、モノづくりの基本をAPSに置きながらも、決して押し付けでなく、相手が理解するまで繰り返し伝えるというコミュニケーションの姿勢です。「私は『腹に落ちる』と言っていますが、理解さえ得られれば、国籍や文化の違いを超えて、人は動いてくれます」(小嶋)。  APSがめざしているのは、モノづくりの哲学を共有することであり、それは新興国に限らず、日米欧にも共通する永遠の課題とも言えます。今後の目標は全世界で工法・工順・品質を統一すること。「一つひとつのラインで、それを徹底していく地道な作業です。しかし、標準化・共通化が達成できれば、仮にどこかでトラブルがあっても、すぐにそれを再現し原因をつきとめて対応することが可能です」(小嶋)。標準化・共通化に向けて改善を進めることは、これからも競争力の高い製品を造るという決意の表れです。

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