AKEBONO REPORT 2011
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曙ブレーキ工業株式会社第3の転換期を迎え、真のグローバリゼーションに向けてグローバルな調達基盤を構築し、強固なサプライチェーンへグローバルネットワークの確立のため、調達部門では標準化・共通化をキーワードに調達基盤の再構築を進めています。課題は、これまで各地域で築いたネットワークやノウハウをグローバルで活用するとともに、中国をはじめとする新興国においても品質は勿論、現地ニーズにあった、スペックの見極めが重要な要素であり、低コスト化実現に向けて、競争力を高めることにあります。目標は、世界の最適な拠点で生産を行い、最適な市場へ提供すること。そのため、2011年度は、グローバルなコミュニケーションを活性化し、現地ニーズの把握に努めていく考えです。 また、調達は取引に関わる業務であり、遵守すべき法令も多いため、コンプライアンスの対応においても重要な役割を担っています。特に、REACHに代表される環境規制やレギュレーションの変更には、これまで以上に迅速かつ入念な対応が求められています。「材料や部品の調達がグローバル化しても、優れた技術を持つお取引先様とともに成長をめざしていくことに変わりはありません」(城迫)。新たなイノベーションの鍵を握る『素材』開発についてもお取引先様、開発部門との連携を強化し、低環境負荷材料の構築を推進していきます。同時に大規模災害などの危機時を鑑み、いかにサプライチェーンを維持するかも考慮しながら、コストを削減し、高品質な材料・部品を調達し続けるグローバル調達体制を確立したいと考えています。調達部門調達部 部長城迫 昇現地ニーズの把握からはじまるグローバリゼーション真のグローバリゼーションという課題に対し、開発部門では、世界共通基盤となる品質・性能を見極め、その上で各地域の市場ニーズに応じた開発を進めようとしています。「標準化・共通化のためには、まず各地域のエンドユーザーの求める要求を知ることが先決です」(西村)。特に、新興国市場ではブレーキ開発に対して大胆な発想の転換が求められるため、2011年1月には中国に開発センターを開設。「中国系スタッフをリーダーに、現在はローカルユーザーの利用実態など、現地現物現認の徹底した市場調査を進めています」(西村)。 また、欧州では2007年よりF1ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスチームのオフィシャルサプライヤーとして技術を磨き、知名度の向上に努めています。一方でボッシュの北米事業譲渡によってローター、つまりパッドの相手材を取得したことも、今後、akebonoのコア技術である「摩擦と振動、その制御と解析」を深掘りする大きなチャンスとなります。また地球温暖化防止に対して、クルマの燃費向上をめざし、小型化・軽量化、引きずり低減の技術開発に取り組んでいます。こうした技術開発の成果やマーケットの情報をグローバルネットワークによって共有化し、グローバルなR&Dを強力に推進していきます。開発部門商品企画部 部長西村 誠司

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