AKEBONO REPORT 2011
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曙ブレーキ工業株式会社国際的な環境規制の対応強化に努めています開発・設計段階での取り組み次世代ブレーキの開発akebonoでは、次世代自動車のニーズに対応する新しいブレーキシステムの開発に取り組んでいます。●電動ブレーキ電動ブレーキは、ディスクブレーキパッドの押しつけ機構を電動化したブレーキシステムです。低燃費を実現する車両の軽量化に貢献し、メンテナンス等で廃液処理されるブレーキフルードが不要となり、環境保全にも貢献します。●低引きずりキャリパーブレーキ解除時のパッドとローターのわずかな接触はローターの回転抵抗となり燃費に影響します。また、パッドとピストンの間隔がごくわずかに変化するだけでも、ブレーキペダルの動き出しからブレーキの効き始めまでのタイミングがずれ、ドライバーがブレーキに不安を感じるようになります。低引きずりキャリパーはパッドとローターの隙間をミクロン単位で最適化し、回転抵抗を減少させることで、自動車全体の燃費向上に貢献します。●F1用ブレーキキャリパー世界最高峰の自動車レースとされるF1。akebonoは、より過酷な条件でのブレーキ技術開発をめざして、2007年からボーダフォン・マクラーレン・メルセデスチームへブレーキ供給を行っています。徹底した軽量化と高剛性などの相反した性能と、優れた冷却性、低引きずり、そして信頼性を非常に高い次元で実現するために構造、材料、表面処理などすべてにこだわりを持って取り組んでいます。こうした取り組みによる軽量化や冷却性能を高めるノウハウの蓄積を、将来のより低燃費で環境負荷の低い製品の実現にもつなげていくことをめざしています。新幹線用ディスクブレーキライニング開発リードタイムの短縮akebonoの製品開発では法的基準に沿った安全性や、お客様の要求スペックとの適合を確認するため、試作品を製作し評価・確認しています。この開発段階でのリードタイム短縮を目的として、数値解析の導入や設計の標準化を進めることで、評価サイクル数を減少させています。これは試作品製作や試験機運転稼動などの開発における付帯電力を削減するだけでなく、試作品ブレーキ機構部を構成する鉄類や摩擦材を構成する天然化合物の省資源にも寄与します。akebonoは設計業務の詳細な分析と解析で開発リードタイムを短縮し、効率的で環境に優しい製品開発システムを構築します。環境に優しい摩擦材の開発akebonoは環境負荷物質の少ないブレーキ用摩擦材の開発に努めています。国内・海外法規より厳しい独自の調達ガイドラインを定め、新規に採用する原材料は、作業安全性、環境安全性を第一に考慮して環境負荷物質の含有量の少ない原材料を選定しています。将来規制の対象になる可能性のある原材料は、代替材料を先行開発し、使用しないことで規制強化に備えています。年々強化される環境法規への対応策として製品の摩耗による粉塵を少なくする技術開発も進めています。鉄道用鉛フリー焼結摩擦材の普及akebonoは2002年に鉛フリー焼結摩擦材を開発し、以来、鉄道用摩擦材において鉛フリー化製品の納入率向上をめざしています。この鉛フリー焼結摩擦材は、独自の潤滑材と金属マトリックスの調整と製法により、優れた摩擦特性を実現しています。2010年6月、akebonoは焼結製品の鉛レス化による環境負荷低減への取り組みが評価され、東日本旅客鉄道㈱より第4回鉄道技術育成購買表彰を受賞しました。社団法人 産業環境管理協会より講師をお招きし、講演会「諸外国の環境規制」を開催しました(2010 年12月10日Ai-City)東日本旅客?道㈱より贈られた感謝状と記念楯

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