AKEBONO REPORT 2013
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コンマ数パーセントの軽量化追求と新たな挑戦akebonoは、2007年よりF1「ボーダフォン マクラーレン メルセデスチーム」のオフィシャルサプライヤーとして、ブレーキシステムを供給し続けています。マクラーレンの妥協のない厳しい要求に応えるため、コンマ数パーセントを追求する徹底した軽量化と高剛性、優れた冷却性能に加え、常に高い信頼性と安定した性能を、非常に高度な次元で実現し、構造、材料、表面処理などをakebono独自の技術で開発してきました。F1などのレースを通じたブレーキ技術開発で得たノウハウは、量産製品の研究・開発にも反映しています。グラム単位の軽量化を追求する技術は、燃費の向上による自動車の省エネを促進することにつながります。また、耐久レース用摩擦材の開発から得られる高負荷、耐摩耗性向上技術は、製品の長寿命化や省資源にも寄与します。マクラーレンの最新型超高性能車「P1?」にakebonoのブレーキシステムが採用されたことにより、これからは軽量・高剛性を追求したキャリパーと高性能パッドに加え、新たにカーボンセラミックブレーキディスクを提供します。カーボンセラミックブレーキディスクは、従来の鉄系ブレーキディスクに比べ大幅に重量を低減しています。ブレーキシステムでの軽量化への貢献に加え、カーボンセラミックの材料特性による高い硬度から得られる長寿命、優れた放熱特性、耐熱性の高さにより、ブレーキディスクサイズを従来製品より小型化することを可能にしました。このような長寿命、小型化により資源の有効活用につなげていきます。akebonoはさらに高性能車両用の銅フリーパッド開発にも取り組んでおり、今後は性能と環境性能を両立させたパッドを量産車両に展開することで、高性能車両の分野でも環境性能を重視した製品を提供できるように進めていきます。これらの技術展開により、省資源、省エネルギーなどの環境性能の向上に貢献します。akebonoは、2013年2月26日、マクラーレンの超高性能ロードカー「P1?」にブレーキキャリパー、ブレーキパッドおよびブレーキディスクを含むブレーキシステムを提供することを発表しました。akebonoは、かねてより培ってきたF1技術を応用し、「P1?」専用のブレーキシステムを開発。最適なパフォーマンスを確保するべく、素材、構造、表面処理などブレーキシステムのすべてにおいてこだわり、大幅な軽量化、卓越した冷却性能、高い耐熱性および剛性の確保を実現しました。「P1?」には、ロードカーでは当社にとって初となる新型のカーボンセラミックディスクが搭載されます。今回使用されるカーボンセラミックスは、その耐熱性の高さから、宇宙ロケットプログラムでも採用されているものです。従来のディスクより小さい面積でも十分な耐熱性・放熱性を確保できるため、ブレーキシステムの大幅な小型化・軽量化を実現しています。また、このカーボンセラミックディスクの両摩擦面に炭化ケイ素を含浸させることにより、高い制動性を発揮するばかりでなく、表面を美しい鏡面に仕上げています。さらに、このブレーキシステムには、akebonoのアルミ製・オポーズドキャリパーが搭載されており、組み込まれているブレーキパッドもakebonoが「P1?」専用に開発しました。F1の技術を応用し、「軽量化」と「引きずりの最小化」という、相反する性能の同時追求を実現しています。【オポーズドキャリパー】ブレーキローターの両側にあるピストンを使ってブレーキをかける方式のキャリパー。一般的なブレーキと比べて強い制動力が得られる。アルミ製オポーズドタイプキャリパーは、強い制動力を実現すると同時に非常に軽量なため、環境負荷削減にも貢献するとされる。マクラーレン超高性能ロードカー「P1?」に akebonoのブレーキシステムを提供TOPICS環境マネジメントモータースポーツ ― 徹底した軽量化の追求 ―akebonoは、省エネとCO2削減につながる革新的な技術を開発することにより、地球温暖化対策に貢献します。第83回ジュネーブモーターショー プレスカンファレンス(2013年3月5日)「P1TM」搭載のブレーキシステム。マクラーレンとakebonoのパートナーシップの象徴として両社のロゴがディスクブレーキキャリパーに施されている

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