AKEBONO REPORT 2014
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特集:東日本大震災後の継続した取り組み福島製造㈱:安心して働ける環境づくりの継続■放射能測定の実施 東日本大震災で被害を受けた建屋や設備での復旧工事や地震対策はほぼ完了しました。福島第一原発から直線距離で約65kmに位置する福島製造㈱では、社員の安全には最大の注意を払い、社員が安心して働き続けるための取り組みとして、敷地内および工場内の放射能測定を8カ所で毎日実施しています。また、全社員が測定値を確認できるように毎日掲示板にて公開しています。■「除染」自治体と連携 放射能が健康に及ぼす影響を低減するため汚染された土や草木を取り除く「汚染状況重点調査地域」に指定されている自治体では、除染計画を策定し仮置き場の確保も含め、条件が整ったところから順次除染活動を進めています。福島製造㈱がある桑折町では、住宅除去土壌の仮置き場の確保が難しい状況にあります。そこで福島製造㈱では桑折町と連携して、地域住宅の除去土壌を敷地内に置く仮置き場の計画を進めています。また、敷地内には働きながら大学に通い保育士の資格をめざす学生寮があるため、学生の安全性を考慮し、同様に桑折町と連携して敷地内除染の計画を進めています。地震想定シミュレーションの実施 10月1日、akebonoでは15時15分発生の関東平野北西縁断層帯を震源とするマグニチュード8.1の大地震を想定した第7回地震想定シミュレーションを実施しました。国内各拠点が参加する危機管理シミュレーションで、関東の広い範囲で震度5~7の強い揺れに見舞われ、岩槻製造㈱:震度6強、本社(羽生):震度6弱、館林鋳造所:震度6弱、本店(東京都中央区):5弱の揺れを想定し、岩槻製造㈱を中心に各拠点でケガ人の発生、建屋と設備の破損、稼働・出荷・納入停止、帰宅困難者多数という同時被災を想定しました。前回の課題であった対策本部や各拠点で被災・対応状況が把握しにくい、という点を反映させ、国内各拠点をテレビ会議で接続し、情報の共有化を図ながら、より実践的なシミュレーションを実施しました。「防災センター」の機能を備える研修施設 Ai-Village 各国の社員の知識・経験を共有し、人財が交流することによって新たな価値を創造するための場として設置したAi-Village(埼玉県羽生市)は、大・中・小の研修室や語学専用研修室、食文化を通じて文化の違いを体験するための厨房機能、コミュニケーションを活性化するためのラウンジのある研修棟と56部屋のある宿泊棟で構成されています。 東日本大震災の教訓から、Ai-Villageは、施設耐震強度を基準の1.5倍にし、停電時の電力供給システムを保有、備蓄庫の設置、テレビ会議システム常態接続による国内外拠点との情報共有、研修室を宿泊室として約200名の宿泊が可能となるなど、万一のとき、「防災センター」としての機能も充実させました。また、太陽光発電システム、太陽熱温水器、自然採光などを利用し、使用電力量を極力少なくする省エネルギー施設としています。震災復旧からの拡充「新生Ai-Ring」 福島県いわき市にあるテストコース「Ai-Ring」は、東日本大震災により大きな被害を受けた高速周回路などは一次復旧工事が完了し、さらに新製品開発に必要なワインディング路や総合試験路、悪路試験路などのさまざまなテストコースの拡充とダイナモ実験設備(ブレーキ試験機)の増設を行います。今回、ふくしま産業復興企業立地補助金対象事業(第5次募集)に採択され、地域貢献とともに新規地元雇用も20名を予定しています。完工は2016年3月の予定で、将来を見据え、Ai-Ringのあるべき姿を追求しつつ、新製品、新技術を確立し、中長期的な技術の変化にも対応できるフレキシブルな評価を可能にします。震災復興支援「LFA試乗体験」イベントヘの協力継続 東日本大震災で被災した福島の若者たちに夢と希望を持ってほしいという趣旨のもと、福島県いわき市の東洋システム㈱主催、トヨタ自動車㈱とakebonoの協賛により、Ai-Ringでのスーパーカー「LFA」の試乗体験イベントが昨年に引き続き、第2回目が6月8日に開催されました。 LFAは、トヨタ自動車の高級車ブランドであるレクサスから世界で500台が限定販売されたスーパーカーで、そのうち震災から3年が経過akebonoは社員が安心して働き続けるための取り組みとともに、震災復興支援の継続と災害に強い企業への体質強化に努めています。毎日8カ所で放射能測定情報の共有化を図ったシミュレーションAi-Ring安全祈願祭の様子Ai-Villageの備蓄庫(毛布、飲料水、緊急トイレなどを備蓄)

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