AKEBONO REPORT 2014
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あの日から3年「生きていてよかった」涙の卒業TOPICSの6台がAi-Ringに集結しました。当日は、招待した福島県内の中学生から大学生までの135名が、プロドライバーが運転するLFAの助手席に乗り、高速周回路走行などを体感しました。またakebonoは、このイベントにブレーキ技術教育巡回車両を派遣し、ブレーキの講習会を行いました。この震災復興支援「LFA試乗体験」は今後も継続協力していきます。リスクを踏まえた経営課題 akebonoは、東日本大震災で顕在化した課題に継続して取り組み、さらに災害に強い企業への強化行動計画に着手して■震災を乗り越えて迎えた卒業 青空が広がった清々しい3月15日、福島製造㈱の第41期保専生15名の福島学院大学(短期大学部)卒業式が行われました。卒業式に続き、akebono主催の「卒業を祝う会」が開催され、卒業生とそのご家族も出席し、卒業生一人ひとりに社長の信元から記念品の贈呈と固い握手で、卒業生の門出をお祝いしました。 この41期保専生は、新入社員として普通のスタートはできませんでした。配属翌日に東日本大震災に見舞われ、余震の続く不安な毎日の中、停電・断水などにより寮では生活できず、避難所生活を余議なくされまいます。大規模地震、洪水などの自然災害や強毒性インフルエンザ等による事業中断に備え、また、お客様のサプライチェーンリスクへの関心が年々高まっている中、事業継続計画(BCP)への対応は非常に重要な経営課題と位置づけています。内閣府や一般社団法人自動車部品工業会(JAPIA)のガイドラインを参考に、国内外の拠点やサプライヤー(お取引先様)のBCP策定へ向け、ステップを踏んで取り組んでいます。 2013年度からは、リスク評価委員会の傘下に組織横断的なチーム(名称:BCM対策部会)を設け、震度6強の大地震を想定したBCP策定に取り組んでいます。特に、早期復旧・事業継続対応を重点テーマとして、「30日以内の復旧」をめざす設備の耐震強化対策への取り組み、代替生産性の分析・確認、サプライチェーンおよび情報システムのリスク分析と対策検討、改善を踏まえた地震想定シミュレーションを実施しました。した。また、工場の浄化槽損傷により食洗ができなかった1カ月間、寮生による「おにぎり握り隊」が毎日早起きして、社員の朝食用に約350個のおにぎりを作り、復旧・復興に大いに貢献しました。学校も被害を受けたため、仮設校舎での授業が続きましたが、明るく笑顔を絶やさず、それぞれが自分の夢に向かって進み、卒業を迎えました。■卒業生代表「お礼の言葉」「忘れもしない3月11日の東日本大震災、直後先輩に手を引かれ外に出ました。大きな余震が続き、雪も降り雷もなり、この先どうなるのだろうと不安な思いでいっぱいでした。体育館で寒い中、体を寄せ合い、みんなで励まし合いました。あのときほど、人の温かさを感じたことはありません。日常生活を何気なく送ることができる幸せや、人の存在の大きさにあらためて気づかされました。支援物資もたくさんいただいたことに“One akebono”を感じ、こんなに社員のためにさまざまなことをしてくださる会社に入社することができて幸せだと思いました。今後は学んだことを活かし、それぞれの道を歩いていきます。」震災を乗り越えて迎えた卒業 (p.22「就職進学制度」をご覧ください。)経営課題内  容事業継続計画(BCP)の策定◆お客様のBCP取り組み・要求事項の把握◆BCP基本方針の策定◆主要製品についての復旧・代替生産策の検討◆設備耐震化などの対策実施◆BCPの文書化、定着化(教育・訓練)危機管理体制の見直し◆初動対応・早期復旧への地震シミュレーションの実施◆危機管理体制・対応マニュアルの見直し ・ 対象リスクの種類と規模の拡大(地震のみから、気象、交通、事故など、安全と納入へ影響するものを対象とする) ・対策本部の設置基準、運営方法、体制 ・情報の見える化・共有化 ・運営機器の整備階層別責任と役割の明確化◆対策本部の規模と対応の見直し◆ 緊急時に必要なアウトプット(安否、出荷状況、復旧予測等)と担当の明確化社員・勤務状況の見える化◆社員の見える化(出欠勤、出張):各個人の安否確認把握◆常に最新情報をアップデートする仕組みと共有方法経営課題内  容情報迅速化◆ お客様情報だけでなく社内外情報を収集し、中長期での受注動向を方向づけする◆外部ソース(経済産業省/JAPIAほか)の情報収集◆ 情報統制と共有化※拠点とは機能別に責任者を決め情報のやりとり調達政策◆ グローバルレベルでのサプライチェーン情報の収集、リスク調査と対策検討、部品や材料の互換性確認、情報を一元管理するためのシステムづくり◆ 互換性を難しくする要因でもある特殊な材料や仕様の「造りやすいもの」「仕様の共通化・標準化」◆ GPF(グローバルプラットフォーム)ビジネスでの部品や材料の共通化推進、部品や材料の現地調達化推進生産体制再構築◆ グローバル生産体制の再構築(拠点/製品の一極集中回避)◆ 代替生産性の把握と向上◆C&S+tの推進(設備の汎用性の拡大による、相互生産)ファシリティ見直し・強化◆耐震補強強化の継続◆Ai-Villageへ対策本部のバックアップ機能、避難所・宿泊所◆生産拠点・非常用電源の完備◆衛星電話の更新リスクを踏まえた経営課題ずらりと並んだLFA試乗車卒業生代表の矢吹 瑠香さん

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