AKEBONO REPORT 2014
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フォーミュラー1 世界最高峰自動車レースF1のトップチーム「マクラーレン メルセデス」に2007年よりブレーキキャリパーとマスターシリンダーを供給しています。 F1では「速く走るためのブレーキ」が求められます。コーナー進入時は、わずか3秒で時速300km超から時速80kmへ減速します。この時のローターの温度は800度に上ります。常に高い信頼性と安定した性能を実現するため構造、材料、表面処理などすべてにこだわりを持って取り組んでいます。■ モーターサイクルレース 全日本ロードレース選手権のトップカテゴリーであるJSB1000クラスに2004年より挑戦し、ブレーキシステムを供給しています。 二輪レースでは、時速300kmから指1本で減速できる高い効きと繊細なフィーリングが求められます。 akebonoは2011年より「MuSASHi RT ハルク プロ」チームにブレーキシステムを供給し、2013年のFIM世界耐久選手権シリーズ鈴鹿8時間耐久ロードレースでは優勝を収めました。 2014年2月、akebonoはマクラーレンとのパートナー契約を、従来の「オフィシャルパートナー」から、技術的卓越性と優れた製品性能を証明する「テクノロジーパートナー」へと変更し、さらに関係を強化していくことを発表しました。2014シーズンからは新たなF1レギュレーションの変更に対応したブレーキシステムを開発・供給しています。 F1への参戦はエンジニアの育成にも大きく貢献しています。世界最高性能をめざすことにより技術力を研き、そのノウハウを多方面で活かしていけるよう活動していきます。マクラーレンのさらに強力な技術パートナーへ■ ブレーキ摩擦材 ブレーキは摩擦材を押しつけることにより摩擦力を発生させています。パッドやブレーキライニングに使われる摩擦材は、強度を出す補強材、効きや鳴きなどの要求性能を実現させる摩擦調整材、成分を接着形成する結合材の3つの要素で構成されています。 車種や地域によって要求性能が異なるため、使用する原材料や配合を変えています。欧州で一般的なのはロースチールやセミメタリックパッドで、金属繊維を使用しているため、高温・高速域での性能が高い反面、摩耗量の多さから鳴きやホイール汚れが目立ちます。一方、日本で一般的なのはノンアスベストパッドで、鳴きや摩耗が少ないという特徴があります。北米では両方が使用されています。摩擦材の構成要素摩擦材分 類役 割原材料補強材摩擦材の強度と強靭性を確保有機繊維無機繊維スチール繊維金属繊維摩擦調整材効きや摩耗寿命を調整、効きの安定性を良くする潤滑材金属粉研削材充填材結合材配合原材料を結合熱硬化性樹脂モータースポーツへの挑戦「さりげない安心と感動する制動」を提供する技術の追求製品紹介安全(10~6mm)注意(交換時期)(4mm 以下)危険(即交換)(2mm 以下)■パッドの交換の目安は5mm 新品パッドの摩擦材の厚さは、約10mm(1cm)です。そのうち使用できるのは、7~8mm程度です。残厚が4mm以下となったら安全のための交換をお薦めします。 車検時や点検時に摩擦材の残厚を確認しましょう

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