AKEBONO REPORT 2014
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経験を開発へ活かす「フランクフルトモーターショー」 akebonoでは、若手技術者が世界中の最先端技術が展示されるモーターショーを視察することより、その経験を開発に反映させることで、性能と環境性能の両立をめざしています。〈社員の声〉■エコな新レース「Formula e」&HE/HP車両にも電動化の波!㈱曙アドバンスドエンジニアリング 井上 雄一郎 リチウムバッテリーを用いて電力のみを動力源とする電気自動車の新レースカテゴリー「Formula e」が強く印象に残りました。電動パーキング機能を備えたキャリパーが多数展示され、オポーズドキャリパーに電動パーキングブレーキを一体化した構造もありました。電動パーキングブレーキのニーズは着実に広がっており、ハイエンド、ハイパフォーマンス車両でもこの動向に注目する必要があると痛感しました。■進む電動化! これからの自動車に必要なブレーキ特命プロジェクト 真下 荘悟 競合他社による電動パーキングブレーキの展示が目立ち、多くの欧州メーカー車両に採用されていることが特に印象的でした。自動車のHV/EV化に劣らず、ブレーキでも電動化の波が来ていることを実感しました。この波に上手く乗り、他社より一歩進んだ技術開発をしていくことが、akebonoにとって重要だと再認識しました。■電動パーキングブレーキの装着傾向と今後開発部門 電動ブレーキ開発部 増田 隆 欧州ビッグ4社の電動パーキングブレーキは展示車の約80%には搭載されており、アジア勢でも上位車種で電動パーキングブレーキが設定されていました。一方、日本メーカーは、電動パーキングブレーキ自体の投入はやや遅れていると感じました。電動パーキングブレーキ市場にakebonoの名を轟かせることができるよう、開発を加速していく必要があると感じました。TOPICS新たなakebono付加価値創出活動にチャレンジ若手技術者育成の継続「ミニチュアラインづくり」 akebonoでは、若手技術者の人財育成として、「1個の動力で動くブレーキ製造工程のミニチュアラインをつくる」という課題を毎年実施しています。生産技術部門の若手・中堅チームで、通常業務のほかにこの「ミニチュアラインづくり」を兼務し、企画、設計からミニチュアラインの作製までを一貫して行っています。 4年目となる2013年は、アルミ・オポーズドタイプのディスクブレーキ製造過程を作製し、注湯・型バラシ・熱処理・組立など10工程を分かりやすく再現しました。部品を3Dプリンターやレーザーカットにて内製し、動作はからくり機構を入れ、「よりリアルな」動き・装置を実現しています。また、動作機構を「見て知る」ことができるように、後面からも見て楽しめるような設計にしました。 ミニチュアラインづくりを通じて、造りやすさ、保守のしやすさと作業のしやすさを盛り込みながら、生産工程全体を見通す力を向上させ、徹底的に無駄を省き、かつ省エネルギーで「人と環境に優しい設備」を実際の生産ラインに活かしています。〈リーダーコメント〉生産技術部門 摩擦材生技部 吉田 貴之 図面だけでは気づかなかった強度不足、干渉、緩みなどによる不具合が多く生じ、原因追及から改善まで時間がかかり、全体の進捗を見ながら不具合対策を行う難しさも同時に学びました。設備設計の知識だけではなく、納期やコスト意識などを多く学びました。 新たなakebonoの付加価値を創出する活動として、通常業務のほかに若手エンジニアを中心としたメンバーで軽量化とデザイン性を両立させるデザインキャリパー開発ワーキンググループ活動や若手女性目線での活動を通じたakebonoの付加価値を創出するデザインワークショップにチャレンジしています。他社での女性目線開発プロジェクトの調査やブレーキ認知度の社内女性アンケート、東京モーターショーでのアンケートなどを実施しました。デザイン面では「調和」、機能面では「共感」が女性目線の立案のポイント、アンケートから女性のブレーキ認知度は低く、女性社員の多くは入社前にブレーキを知らないことがわかりました。ブレーキを知らない女性でも興味を持つような製品を提供するために議論・熟考を重ねながら、さまざまな課題にチャレンジしています。 このようなakebono付加価値創出活動を通じて、多方面から物事を捉え、一人ひとりが自ら責任と機能を果たし、部署を超えてOne Teamとなり、将来に向かい一体となって大きな変革に挑んでいきます。新製品・技術トピックスakebonoは、若手技術者の現場での学びや最前線での経験を活かし、それらを技術開発や新製品に反映しています。

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