AKEBONO REPORT 2015 事業・CSR活動報告
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窒化処理ローター GM社のトラックに採用されているakebono製ローターには軟窒化処理(FNC処理)が施されており、高いブレーキ性能、業界最高レベルの長寿命、そして低ノイズ・低振動を実現しています。ローターの軟窒化処理により、高い防錆性能に加え耐磨耗性も強化され、耐疲労性、耐熱性などのブレーキ性能も向上しています。また磨耗粉低減によりホイールの汚れも低減しています。長寿命化による省資源と、磨耗粉低減による環境負荷低減にも貢献しています。ノイズと振動を制御する技術へ挑む ブレーキづくりにおいては、エンドユーザーの不快な乗り心地に直結する「鳴き」や「振動」をいかにコントロールできるかが非常に重要です。「鳴き」とは、パッドとローターの摩擦によって発生する「振動」がキャリパーなどに伝わり、ブレーキ全体が共振して音が発生する現象を指します。ブレーキの快適性を損なう諸々の現象を、akebonoでは「NVH」(Noise(ノイズ:鳴き)、Vibration(バイブレーション:振動)、Harshness(ハーシュネス:路面の凹凸による振動)の3つの頭文字に由来)と呼び、対策に取り組んでいます。鳴きや振動には、走行環境、速度、制動温度、部品の材質、形状、ローターの回転速度などさまざまな要因が関係し、その対策を考えるのは困難ですが、akebonoでは「複素固有値解析」によるシミュレーションを用いて、さまざまな条件のもとでの鳴き・振動を予測する試みを行っています。シミュレーションの精度を上げることにより、設計段階で鳴きを精度良く予測できるようになります。ブレーキの実物をつくる前から対策が可能になると、試作の回数が減り、省資源・省エネルギーにも貢献できます。開発・設計段階での取り組みakebonoは、環境負荷物質を使用しない製品づくりや製品の長寿命化を進めるなど、環境負荷の軽減に貢献するとともに、環境にも人にも優しいブレーキ開発に取り組んでいます。環境負荷物質を使用しない製品づくりを推進 ブレーキ摩擦材は使用することによりダストが発生します。北米ではブレーキダストによる河川や湾の生態系に影響を及ぼすことが懸念され環境負荷物質規制が強化されました。akebonoは、発生するブレーキダストを大きな技術課題と捉え、摩耗によるダストを少なくする技術開発やパッドの長寿命化にチャレンジしています。 また、akebonoでは環境負荷物質の少ない製品づくりを推進し、使用する原材料は法規よりさらに厳しいakebono独自の自主ガイドラインを定め、開発・設計段階から、作業・環境安全性について厳しくチェックしています。環境負荷物質に該当する原材料は使用を避けるほか、人や環境への影響が大きいと判断した場合は代替材料に換えるなどの対応を行い、より環境負荷物質の削減に取り組んでいます。米国化学物質規制対応「ブレーキ摩擦材」 米国ワシントン州とカリフォルニア州は、ブレーキ摩擦材から排出される化学物質が河川や湾の生態系に影響を及ぼすことを防ぐために、自動車ブレーキ摩擦材に含有する化学物質規制に関する州法を発効しました。カリフォルニア州では2014年1月1日より製造されるパッドやライニングなどのブレーキ摩擦材に含有される銅を含む対象物質が許容量を超えないこと、また銅の含有量により、A≧5wt%、B<5wt%、N<0.5wt%と区分された「環境適合マーク」をパッドやライニングに表示することが義務付けられました。akebonoでは、米国はもとより、日本、アジアの各生産拠点、開発、品証、営業、生産技術など、米国に流通する摩擦材の生産に関わる多くの部署がグローバルで協力し、One Goal, One Team, Oneakebonoとなって法規対応を実施しました。今後も梱包の「認証マーク」やワシントン州法への対応なども継続して確実に法規対応していきます。FNC処理ローター「環境適合マーク」表示パッド38 AKEBONO REPORT 2015 曙ブレーキ工業株式会社
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