AKEBONO REPORT 2015 事業・CSR活動報告
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Q1. コーポレート・ガバナンスの観点から、当社の取締役会における社外取締役の役割についてどう考えておられますか?A1. 株主の利益を代弁しながら、コーポレートシチズンとして各種のステークホルダーにも配慮して、企業統治とはどうあるべきかを考えています。社外取締役は取締役会への出席を通じて、大きく業務執行の監督(モニタリング)と経営に対する助言(アドバイス)の2つの機能を期待されていると思いますが、前者については、議案の審議について中長期的な企業価値向上の観点からどうかという問いかけを常に行い、業務執行のモニタリングを行っています。また、専門分野での教育経験や、他社での社外取締役の経験をベースに、当社の企業価値向上に資する助言ができるように努めています。Q2. 取締役会に提出された議案について、社外取締役・社外監査役が意見を述べる機会は多いですか?A2. 他社と比較しても活発な意見や注文が出されていると思います。社長を含む経営陣は、社外役員が話しやすい環境をつくってくれていると思います。私も、当社の社外取締役を引き受けてからそれなりの期間が経過し、業界も業務も理解できるようになっていますが、知っているだけに厳しいことも言うようにしています。実際、議論の中で、将来の当社のサスティナビリティに影響を与える可能性がある案件は、再考や再提出をお願いしたことがあります。ただし、提出された議案について再考を促すときには、やはり勇気と覚悟が必要ですが。Q3. さらに有効なガバナンス構築のために社外取締役として考えておられることをお聞かせください。A3. コーポレート・ガバナンスは、形式ではなく運用をいかに充実させるかが重要です。取締役会は基本的に議案が決められていますが、社外取締役としては今までも行ってきたように提出された議案以外でも、中長期的に当社の企業価値を向上させるための注文や提案を積極的に出していきたいと思っています。Q1. 当社の取締役会のガバナンス機能についてどう評価されていますか?A1. akebonoの取締役会では、執行部からの提案を尊重しながらも、少しでも疑問があれば、社外役員(社外取締役、社外監査役)から、必ず質問や厳しい指摘が出され、活発な議論が尽くされています。その意味では、コーポレート・ガバナンスの要である取締役会において、社外役員の参加が、実質をともなった議論を醸成させ、チェック機能の有効性は高いと感じています。社内の取締役、執行役員と社外役員との間には適度な緊張感が必要であり、その点でも適切な間合いが保たれていると思います。Q2. 社外取締役として今後の役割をどのように考えておられますか?A2. akebonoは、今や国内売上比率が4割を切り、海外での売上が6割を超えるグローバル企業です。この現状に鑑み、自動車市場の国際的動向を敏感に捉えつつ、国内業務の再構築と海外業務の適切なハンドリングが求められていると考えています。こうした視点を踏まえ、社外役員の目から、経営に有効なアドバイスを行っていきたいと思います。 また、証券市場に長く携わってきた経験から、情報開示の適正化(現状および今後の経営方針などを、いかに経営からの積極的メッセージとして適切にわかりやすく伝えるか)などの助言を通じ、証券市場や、株主、投資家の皆様との相互理解・信頼関係の醸成に貢献できるよう、引き続き尽力していきます。Q3. さらなる有効なガバナンス構築のためのアドバイスがあればお願いします。A3. akebonoの取締役会では、事業計画や重要施策などを活発な議論を通じて決定し、速やかに執行・実行に移していますが、例えば、その後の進捗状況のレビューや遅延があるとするなら、その原因・課題についての分析・検証については、改善の余地があると思います。こうした検証を適宜(あるいは定期的に)、社外役員の目も入れて、取締役会で十分議論し、必要に応じて見直しを加えることはガバナンス上、チェック機能の有効性を高めるものと考えます。■社外取締役インタビュー取締役 独立役員 伊藤 邦雄一橋大学大学院商学研究科特任教授一橋大学CFO教育研究センター長取締役 独立役員 鶴島 琢夫株式会社東京証券取引所元代表取締役社長54 AKEBONO REPORT 2015 曙ブレーキ工業株式会社

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