AKEBONO REPORT 2016
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akebonoは2005年より北米における経営環境の変化に対応し、北米事業の競争力強化を図るため、事業の再構築を進めてきました。2008年には北米の生産拠点の集約を実施。さらに2009年には、リーマンショック後の北米での自動車販売台数減少に伴って生産能力の適正化を図っていた独ボッシュ社と協議し、ボッシュ社が集約したブレーキ生産拠点2工場を譲り受け、グローバル化を本格化しました。同工場で生産していた赤字製品の補填を勘案した価格にて事業獲得を実現した上で、新製品を新しい価格で受注し北米事業の黒字転換を図っていました。生産拠点の集約と新ビジネスの獲得により、事業の再構築を進めていた矢先、2013年頃から北米の景気回復が加速し自動車販売台数が急増したことにより、生産能力以上の受注を獲得するに至りました。これにより工場は3直7日稼動(週7日24時間勤務体制)を実施せざるを得なくなり、労務費が大幅に増加しました。さらに、設備の連続稼動によって故障が多発し、製品の納期を厳守するため空輸を行ったことから緊急輸送費用が発生するなど、複数の理由が重なり、2015年度には大きな営業損失を生じる結果となりました。加えて、新領域への挑戦として開始した欧州メーカー向ごあいさつ業績を真摯に受け止め、持続的な成長を果たしていくための新中期経営計画の実行に全力を尽くしてまいります。2013年度から3年間を実施期間とする中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2013」は、2016年3月末に終了しましたが、2014年に発生した北米における生産混乱の影響が続いたことが主要因で2期連続の連結最終赤字となり、定量目標の大幅な未達という大変残念な結果となりました。定量目標以外の3つの重点施策については前進もありました。「将来に向けた技術の差別化」では、欧州メーカーのハイパフォーマンスカー(高性能量販車)にブレーキの供給を開始することができました。また電動ブレーキの開発体制を構築したことなどが成果として挙げられます。「革命的原価低減に向けた努力の継続と海外への展開」では、ドラムブレーキの生産を岩槻製造から山陽製造へ集約するなどの成果がありましたが、海外については北米における生産混乱により目標を達成することはできませんでした。「日米中心から日米欧アジアへのグローバル化の加速」については、メキシコ、ベトナムに加えて、2015年にはスロバキアにハイパフォーマンスブレーキの製造拠点を開設し生産を開始しました。今後の本格稼働により収益向上が期待できます。前中期経営計画「akebono New Frontier 30 ‒ 2013」の進捗北米で大きな損失が発生トップメッセージAKEBONO REPORT 2016曙ブレーキ工業株式会社9

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