AKEBONO REPORT 2016
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akebonoはブレーキの性能向上と次世代技術開発に取り組んでいます。また、環境負荷の低減に貢献する製品・技術の開発にも注力しています。GM社のトラックに採用されているakebono製ローターには軟窒化処理(FNC処理)が施されており、高いブレーキ性能、業界最高レベルの長寿命、そして低ノイズ・低振動を実現しています。ローターの軟窒化処理により、高い防錆性能に加え耐磨耗性も強化され、耐疲労性、耐熱性などのブレーキ性能も向上しています。また磨耗粉低減によりホイールの汚れも低減しています。長寿命化による省資源と、磨耗粉低減による環境負荷低減にも貢献しています。米国ワシントン州とカリフォルニア州は、ブレーキ摩擦材から排出される化学物質が河川や湾の生態系に影響を及ぼすことを防ぐために、自動車ブレーキ摩擦材に含有する化学物質規制に関する州法を発効しました。カリフォルニア州では2014年1月1日より製造されるパッドやライニングなどのブレーキ摩擦材に含有される銅を含む対象物質が許容量を超えないこと、また銅の含有量により、A≧5wt%、B<5wt%、N<0.5wt%と区分された「環境適合マーク」をパッドやライニングに表示することが義務付けられました。akebonoでは、米国はもとより、日本、アジアの各生産拠点、開発、品証、営業、生産技術など、米国に流通する摩擦材の生産に関わる多くの部署がグローバルで協力し、法規対応を実施しました。今後も梱包の「認証マーク」やワシントン州法への対応なども継続して確実に法規対応していきます。事業概況研究開発・品質管理akebonoでは、低燃費を実現するための自動車の軽量化に対応する次世代ブレーキシステムの研究開発に取り組んでいます。部品点数の削減などにより省資源にも貢献します。電動ブレーキ電動ブレーキは、パッドの押しつけ機構を電動化したブレーキシステムです。低燃費を実現する車両の軽量化に貢献し、メンテナンスなどで廃液処理されるブレーキフルードが不要となり、環境保全にも貢献します。低引きずりキャリパーブレーキ解除時のパッドとローターのわずかな接触はローターの回転抵抗となり燃費に影響します。また、パッドとピストンの間隔がごくわずかに変化するだけでも、ブレーキペダルの動き出しからブレーキの効き始めまでのタイミングがずれ、ドライバーがブレーキに不安を感じるようになります。低引きずりキャリパーはパッドとローターの隙間をミクロン単位で最適化し、回転抵抗を減少させることで、自動車全体の燃費向上に貢献します。窒化処理ローター米国化学物質規制対応ブレーキ摩擦材低燃費を実現する次世代ブレーキの開発FNC処理ローター銅フリーパッド(写真は試作品)低引きずりキャリパー矢印部分が電動機構部分AKEBONO REPORT 2016曙ブレーキ工業株式会社27

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