AKEBONO REPORT 2017
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トップメッセージ北米事業の業績改善を確実なものとするとともに、大きな変革が進む自動車産業の中において、変化に対応していくことで企業価値を高めてまいります急激かつ急速に変化する自動車産業akebonoの重要なビジネス基盤である自動車産業は変革期の真っただ中にあり、地球環境問題への対応や安全性向上への要求がますます高まっています。環境問題対策としては、ハイブリッドやプラグインハイブリッドはもとより、電気自動車や燃料電池車の開発も急速に進んでいます。一方、安全性向上については、自動運転技術の進化やそれを支えるインフラの研究、さまざまな機構の電動化が進んでいます。この分野には、他業種からの参入もあり、生き残りをかけた開発競争は一層熾烈になっていくものと考えます。また、情報通信技術の発達とクルマに対する新しい価値観により、「所有から使用への変化」が起きており、ライドシェアという考え方も生まれました。当社もこれらのさまざまな変化に対応していく必要があります。akebonoのアイデンティティを軸に3つの方針を実践 こうした経営環境の変化の中、私どもはakebonoの特徴である「小規模専業独立製造会社」という立ち位置を最大限に活かして企業価値を高めていきます。「小規模」であるが故の迅速な意思決定力を活かし、「専業」ならではの摩擦と振動に関する深い知見を活かして事業の裾野を広げるチャレンジを行います。「独立」であるが故の自由度を活かした新たな分野への進出を試み、「製造」にこだわることで無から有を生み出していきます。また、「会社」は一人ではできないことを組織力で成し遂げる場であり、それを支える社員一人ひとりを尊重しながら真のグローバル人財を育成していきたいと考えています。当社を取り巻く環境が急激かつ急速に変化する中、「小規模専業独立製造会社」の強みを活かしながら生き残っていくために2017年度の方針を以下の3点としました。akebono Wayの構築とグローバル展開1つめの方針は、「akebono Wayの構築とグローバル展開」です。この方針策定の大きな契機となったのが、2013年に発生した北米事業の生産混乱です。akebonoはこれまでに3つの転換期をはじめ、幾多の時代の変化を乗り越えてきました。その底流にはakebonoならではの強みや価値観があり、時代に応じて社是「誠和魂※1」をはじめ「APS※2」、「曙の理念」、「akebono 21世紀宣言」、「ブランドステートメント」などに反映してきましたが、今後さらにグローバルに事業を展開していくにあたって、これまで以上に具体的な行動判断の支柱が必要になってきました。akebonoの持続的成長のために、行動や判断の拠り所となる指針として「akebono Way」を策定・展開していきます。 製品別事業部制の基盤構築2つめの方針は、昨年から始めた「製品別事業部制の基盤構築」です。日本・北米・欧州・アジアの各地域で展開しているビジネスの連携をさらに深め、グローバルでお客様満足度を高めるために、営業・開発・調達・生産・生産技術の機能を振り分けた5つの製品別ビジネスユニットを発足させました。これにより事業部ごとの課題の抽出と仕組みの構築を加速させ、グローバルでの競争力強化を図ることで、製品ごとの収益性を高めるとともに、グローバルネットワークの確立を目指してまいります。人間性尊重、一人ひとりの人財育成3つめの方針は、「人間性尊重、一人ひとりの人財育成」です。「akebono Wayの構築とグローバル展開」と「製07 AKEBONO REPORT 2017

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