AKEBONO REPORT 2017
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品別事業部制の基盤構築」のどちらにおいても、社員一人ひとりが考え方や意識を変え、働き方を変え、そして自らが変化に対応していくことが重要です。ダイバーシティ(多様性)の考えに基づき、次世代を担う人財育成を進めていきます。中期経営計画『akebono New Frontier 30 - 2016』の進捗「北米事業の立て直し」は中期経営計画の重要な柱のひとつです。CEO以下主要な経営陣の刷新による会社基盤の再建、外部コンサルタントの支援も得て進めたコストマネジメントの強化と生産性改善の3つの施策は計画以上の早いスピードで進んでおり、業績は順調に改善し、2017年度以降の北米事業黒字化の目途がつきました。引き続き工場オペレーションの効率化や生産性の改善に努め、黒字体質の定着を図ります。「ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車向けブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築」も計画通り進んでおり、スロバキア新工場での一貫生産供給体制を早期に実現したいと考えています。一方、中国は、減税措置による小型車販売が好調であり、タイやインドネシアも今年に入り自動車市場が回復を見せていることから、これらの地域での競争力をより一層高めていくことで、収益につなげるよう努力していきます。生き残るための技術の開発と蓄積環境問題や安全性への対応といった熾烈な開発競争の中で生き残っていくためには、技術の研鑽が不可欠です。その方策の1つとして、2007年よりF1のマクラーレンチームにブレーキシステムの供給を開始しました。akebonoがブレーキ分野の世界的なエキスパートとなるためには世界最高峰への挑戦が必要不可欠であるという信念から始めたこの挑戦は、2016年に10周年を迎え、現在もakebonoのコア技術である「摩擦と振動、その制御と解析」を究極の条件の中で追究しています。これらのレース活動で培われた技術は、ハイパフォーマンスブレーキとして結実し、欧州におけるakebonoの知名度向上とも相まって、中期経営計画の柱の1つである「ハイパフォーマンスブレーキビジネスの拡大と欧州事業の新築」に大きく貢献しています。またレースの場でエンジニアが貴重な経験を積むことは人財育成にもつながっています。加えて「摩擦と振動、その制御と解析」をベースとした技術の連続性から、インフラ&モビリティシステム事業部門では新幹線用ブレーキを含めた鉄道車両向け製品開発を進めています。さらには、同事業部のセンサー技術を活かし、鉄道用車両挙動監視装置や地表傾斜計測システムなどの新たな分野の製品も開発・販売しており、より一層の業容の拡大を図っています。また、摩耗粉を出さない構造を用い環境負荷の低減を実現した画期的な「MR流体ブレーキ」など、次世代技術の開発も鋭意進めています。akebonoは、創業以来、「安全・安心を提供する」ことをすべての企業活動の軸としてきました。ここ3年間は米国事業の不振により、ステークホルダーの皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしてきましたが、業績は回復基調にあります。さらなる企業価値向上に向けて尽力してまいる所存ですので、ステークホルダーの皆様には引き続き変わらぬご支援をお願いするとともに、本レポートへの忌憚のないご意見、ご感想をお寄せいただければ幸いです。2017年6月代表取締役社長※1 「誠をもって人に接し」、「和をもって事を計り」、「魂をもって志を貫く」を意味する※2 「Akebono Production System」さらに「Akebono Philosophy and Spirit」を意味するAKEBONO REPORT 2017 08ごあいさつ

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