AKEBONO REPORT 2018
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トップメッセージ変革のただ中にある今こそ中長期的な視点をもって、akebonoの強みを活かした施策を積極的に展開してまいります変革のただ中にある自動車産業のなかでakebonoの主要な事業基盤である自動車産業は今、大改革のただ中にあります。象徴的なキーワードが「CASE」です。これは「Connected(コネクティビティ・つながるの進歩)」「Autonomous(自動運転の実現)」「Shared & Service(シェアードサービスの進展)」「Electrication(電動化)」という、自動車が新たに提供し得る多様な価値を示しています。自動車電動化の大きな流れが起きている反面、新興国などでは内燃機関に対する需要が根強く残っていくことも想定されています。また、消費者の嗜好変化に伴い、売れ筋の車種がセダン系からSUV系へと移行してきております。都市部では自動車の所有から共有へのシェアリングエコノミーが台頭するなど、自動車市場が大きく変わっています。このように技術と市場に関わる多様な変動要因が同時発生するなか、我々サプライヤーが生き残っていくためには、「小規模専業独立製造会社」としての強みを改めて確認し、足元の経営基盤をより強固なものとしていくとともに、中長期的な視点をもって独創的な価値を生み出し、持続的な成長を遂げていく必要があります。中期経営計画「akebono New Frontier 30-2016」の進捗akebonoは今期、2018年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画の2年目を終了しました。本計画では「持続的成長」をテーマに3つの基本方針に基づく活動に取り組んでいます。●北米事業の立て直し:北米事業の生産混乱からの立て直しに向けて、4つの取り組みを展開しており、業績は徐々に回復しつつあります。「組織・管理体制の抜本的改革」では、主要キーパーソンを変更することや、日本からモノづくりと品質保証のエキスパートを派遣することで、改革のスピードアップを図っています。「生産性改善」では、生産品目の移管や工程見直しなどで歩留まり改善と生産性向上を図りました。「生産能力増強」では、ABCS※とABG※を中心に新規生産設備を導入しました。「収支構造改革」では、調達コストや労務費コストの削減、在庫の適正化などを進めています。●製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立:akebonoは、2016年度に5つの製品別ビジネスユニットを発足させ、マーケティング・開発・調達・生産・販売の機能を持たせました。2017年度は、ビジネスユニット間の連携を深めることで、顧客や地域ごとに多品種化していた製品仕様の標準化を進めることができました。今後はビジネスユニット間や各機能間、地域間での連携をさらに深め、最適な経営資源の配分を通じて一層のキャッシュ創出を図っていきます。現在はその基盤となるグローバルデータベースの構築を進めています。●ハイパフォーマンスブレーキビジネスの拡大と欧州事業の新築:2017年度は、スロバキア工場の生産ライン設置が完了し、ABCSからのハイパフォーマンスブレーキ事業移管も終了しました。また、納入先メーカーも欧州を中心に増えつつあります。2018年度は、スロバキア工場の生産品質の改善を図るとともに、米国や日本にもビジネスを展開していきます。※ABCS:米国サウスカロライナ州コロンビア工場、ABG:米国ケンタッキー州グラスゴー工場03 AKEBONO REPORT 2018

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