AKEBONO REPORT 2018
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ごあいさつ中長期的な成長とサステナビリティを両立「持続可能な開発目標(SDGs)」の国連での採択や、気候変動抑制に関する「パリ協定」の国際的な合意にみられるように、企業は今、地球環境の保全に貢献することが強く要請されています。こうしたなか、akebonoは、自動車業界の変革の動きに能動的に対応していくことで持続的成長を図ると同時に、事業活動のなかに地球環境問題や社会課題の解決に資する施策を組み入れ、社会の要請に応えていきたいと考えています。2017年11月、akebonoは地球環境に対応し持続的成長を目指すための方向性を示す「中長期ビジョン」を発表しました。この中長期ビジョンに基づき、さらなる環境の変化による新たな課題を折り込みながら、akebonoの強みである「摩擦と振動、その制御と解析」の知見を深め、自動車だけではなく、鉄道、新幹線、産業機械など幅広い分野に展開できるブレーキ技術開発に注力するとともに、センサー技術を活用して社会インフラの安全・安心や運用効率の向上につながる製品を開発していきます。同時に、生産設備についても、環境負荷低減や職場の安全性向上に貢献する施策を展開していきます。●技術開発:次世代摩擦材:摩擦材原料への持続可能資源の活用や低環境負荷物質への代替という観点から植物由来材料などの研究を進めています。また今後問題になると推測される摩耗粉について、害にならない摩擦材の材料、摩耗粉の測定技術など幅広い範囲で研究開発を進めています。●技術開発:次世代電動・高性能ブレーキ:将来油圧ブレーキに代わるであろう電動サービスブレーキや、摩擦を伴わない次世代ブレーキ「MR流体ブレーキ」の実用化研究を進めています。さらに、欧州の大型トラックなどに用いられている空圧ブレーキの開発も進めています。●技術開発:センサー技術(インフラ&モビリティ事業):akebonoの持つセンサー技術を駆使して、自動車、鉄道、土木、農業、エネルギーなどさまざまな分野に向けた製品の開発を進めています。今後は、製品だけでなく、情報や運用サービスなどソリューション提供といった事業の展開も視野に入れています。●生産能力増強・生産性改善:設備の改良・刷新、新工法の開発にあたっては、省エネに徹底的にこだわり、2050年には生産時のCO2排出量ゼロを目指しています。また、生産・物流効率や安全性の向上も併せて進めており、2018年5月に新型めっき設備を導入した岩槻製造では、工程を可能な限りコンパクトにして省エネ性と生産効率、安全性を高めました。地域社会や社員とともに成長する企業当社は1965年から、働きながら短期大学や専門学校に通い資格を取得できる就職進学制度を実施しています。この制度を利用した卒業生の人数は既に3,000人を超えています。2018年5月には「働き方改革」の一環および社員の福利厚生の充実を目的として「あけぼの保育園(通称:Ai-Kids)」を開園しました。この保育園の開園にあたっては卒業生からアドバイスをいただいております。また当社は健康経営を推進しておりますが、この取り組みが評価され「健康経営優良法人2018(ホワイト500)」の認定を受けました。これからも地域の皆様や社員とともに成長していくためにさまざまな施策を打っていきたいと考えています。akebonoは創業以来、お客様に「安全と安心を提供する」ことをすべての企業活動の基点としています。米国で発生した生産混乱により皆様には大変ご心配をおかけしましたが、諸々の施策により昨年から回復基調に転換しております。自動車産業が100年に一度の変革期と言われるなか、これを仕事のやり方を変えていく好機と捉え、曙の理念に立ち返り、モノづくり、人づくりに邁進し、持続的成長を目指してまいります。ステークホルダーの皆様には引き続き変わらぬご支援をお願いするとともに、本レポートへの忌憚のないご意見、ご感想をお寄せいただければ幸いです。2018年6月代表取締役社長AKEBONO REPORT 2018 04

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