AKEBONO REPORT 2012
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環境に優しいブレーキの開発をさまざまな用途で拡大しています開発・設計段階での取り組み作品のブレーキ機構部品や摩擦材などの使用削減となり省資源にも貢献しています。akebonoは設計業務の詳細な分析と解析で開発リードタイムを短縮し、効率的で環境に優しい製品開発システムを構築しています。環境負荷物質を使用しない製品づくりを推進akebonoは国内・海外法規よりさらに厳しいakebono独自の自主ガイドラインを定め、開発・設計段階から、より環境負荷物質の少ない製品づくりを推進しています。PRTR法やREACHなどの環境負荷物質に該当する原材料は極力使用を避けるほか、人や環境への影響が大きいと判断した場合は代替材料に換えるなど、環境負荷物質の使用を削減しています。また、近年の環境負荷物質に対する規制強化に伴って、新規に採用する原材料については作業安全性、環境安全性について厳しくチェックし、環境負荷物質について意図的な含有がある場合は微量でも含有量を確認して、より環境負荷物質の少ない原材料を選定するよう取り組んでいます。将来規制の対象になる可能性のある原材料は、代替材料を先行開発し、使用しないことで規制強化に備えています。また、環境対応として製品の摩耗による粉塵を少なくする技術開発も進めています。開発リードタイム短縮による省エネルギー・省資源への貢献akebonoの製品開発では法的基準に沿った安全性や、お客様の要求スペックとの適合を確認するため、試作品を製作・評価・確認しています。この開発段階でのリードタイム短縮を目的として、FEMなどの数値解析の導入や設計の標準化を進めることで、評価サイクル数を減少させています。これは試作品製作や試験機運転稼動などの開発における付帯電力のエネルギー削減と試環境負荷の少ない素材の開発に努めています中央矢印部分が電動機構部分低燃費を実現する次世代ブレーキの開発akebonoでは、低燃費を実現する自動車の軽量化に対応する次世代ブレーキシステムの研究開発に取り組んでいます。部品点数の削減などにより省資源にも貢献します。東北新幹線E5系「はやぶさ」の開発に携わったakebonoを含む計10社が共同受賞しました。この新幹線に装着されている新しいタイプの等面圧ディスクブレーキライニングは、ブレーキディスクにライニングを均一な力で押しつけることができ、時速300kmを超える高速車両の安全な運行、安定した制動力に貢献します。ライニングには環境負荷の少ない原材料を用いており、akebonoの同製品における開発・量産化の実績を認められ、今回の受賞となりました。第41回日本産業技術大賞「文部科学大臣賞」受賞TOPICS東北新幹線E5系「はやぶさ」等面圧ディスクブレーキライニングの仕組みブレーキディスク等面圧ディスクブレーキライニング等面圧ディスクブレーキライニングがブレーキの摺動面の凹凸にフィットするように設計より高い制動力が得られるようになり、ブレーキ性能の向上に貢献します●電動ブレーキ電動ブレーキは、ディスクブレーキパッドの押しつけ機構を電動化したブレーキシステムです。低燃費を実現する車両の軽量化に貢献し、メンテナンス等で廃液処理されるブレーキフルードが不要となり、環境保全にも貢献します。●低引きずりキャリパーブレーキ解除時のパッドとローターのわずかな接触はローターの回転抵抗となり燃費に影響します。また、パッドとピストンの間隔がごくわずかに変化するだけでも、ブレーキペダルの動き出しからブレーキの効き始めまでのタイミングがずれ、ドライバーがブレーキに不安を感じるようになります。低引きずりキャリパーはパッドとローターの隙間をミクロン単位で最適化し、回転抵抗を減少させることで、自動車全体の燃費向上に貢献します。

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