AKEBONO REPORT 2012
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新製品・技術開発トピックス開発・設計段階での取り組み業界初の軟窒化処理ローターを北米市場に投入北米では、生産された自動車はディーラーの野外駐車場で保管し、購入者は現物を確認して持ち帰るスタイルが一般的です。売却まで数カ月かかることもあり、ディスクローター(ローター)にさびが発生する場合があります。さびが発生したローターは効きが不安定になり、ノイズや振動の原因となります。akebonoは、2011年12月にブレーキメーカーとしては初めてローター向け軟窒化表面処理を開発・製品化しました。2012年末より米国主要顧客へ供給を開始しています。軟窒化処理は耐錆性、耐摩耗性を向上させる表面処理加工です。防錆能力が従来のローターに対し最大5倍となり、ローターの初期品質の飛躍的な向上が期待できます。akebonoでは2010年より北米と日本でワーキンググループ(WG)を開始し、技術開発に取り組んできました。軟窒化処理により耐摩耗性が強化され、耐疲労性、耐熱性など防錆以外のブレーキ性能が向上します。摩耗粉低減によるホイールの見栄え維持などローターの商品力の向上と、部品の長寿命化による省資源に貢献します。また、摩耗粉低減は環境負荷低減にも貢献します。20代若手エンジニアを中心とした11名で軽量化とデザイン性を両立させるデザインキャリパーWG活動をしています。akebonoでは若手社員の感性を活かし、設計、生産技術、営業が一体となり量産化も視野に入れたモノづくり革新を進めています。2011年東京モーターショーでは、4つのデザインキャリパーを発表しました。軽量化デザインキャリパー開発TOPICS軟窒化処理ローター●北米Akebono Brake Corporation WG●国内軟窒化ローターWG関 克司太田 誠須貝 幸廉高田 卓弥デザインキャリパーWG 左から:貝谷 有基「将来は一体型キャリパーの生産に携わりたい」、小林 亮太「常に新しくいい製品をつくりたい」、和田 翔太「他社にはない製品開発にチャレンジしたい」、平田 泰大「akebonoの取り組みをもっとアピールしていきたい」ハイパフォーマンス車用6ポットアルミモノブロックキャリパー軽量と高剛性を実現。F1を踏襲し洗練されたデザインハイパフォーマンス車用6ポットアルミモノブロックキャリパー橋脚をイメージしたトラス構造で「強さ」をアピール量産車用1ポットアルミフローティングキャリパー軽量と低引きずりで低燃費も実現するデザインミドルクラス車用4ポットアルミモノブロックキャリパー熱へのユーザーからの不安を放熱フィンで対応見た目の商品性もアップし「軟窒化ローターといえばakebono」といわれるようになりたいです摩擦材だけでは克服できない自然環境からの影響を解決できました表面処理では業界初となりました。ビジネスとして継続していきます社内では新技術ですが、今後は周辺技術として応用していきます

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