AKEBONO REPORT 2012
9/76

後藤(生産技術):全体で10秒かかる加工があったとして、付加価値を生んでいる時間は1秒もないかもしれません。残り9秒を無駄と見ればまだまだ省く余地はあります。小貫(総務):日本の技術、職人技は世界のどこにでもあるわけではありません。そして、akebonoにはそうした技術を持った人たちが社内のいたるところにいます。その優れた技術を次世代にうまく伝えていければと思います。山元(モノづくりセンター):ブランドステートメント「さりげない安心と感動する制動を」の策定に関わった際に「ブレーキは2つ目のエンジンだ」と言われたことが印象に残っています。ブレーキへの信頼があるからアクセルが踏めるという、さりげない安心感を提供していることに誇りや感動をもって、楽しく仕事をすることが大事だと思います。早川(調達):震災後には日本・北米・欧州・アジアでサプライチェーン維持のため2次・3次サプライヤー調査を行いました。ここで得られた経験を活かし、人権等の配慮が必要な新興国への進出の際は、コンプライアンス面にも注意してサプライヤー選定を行っていきたいと思います。■なぜakebonoは日本にモノづくりを残すのか三田(開発):現在はブレーキ製品が主ですが、今後変わっていくクルマに対応しながら、「曙の理念」に基づいて、安全・安心をベースにした時代にふさわしい新たな製品を創り出すことがakebonoの使命だと思います。akebonoの製品を使うことで、生活をもっと良くしていくことができる会社にしていきたい。山元(モノづくりセンター):私の孫は、ちょうどakebonoが100周年を迎えるころに就職活動の時期を迎えます。そのとき孫から「akebonoに入りたい」と言われたい。日本の若者がこれからも活躍できる場づくりのため、自分ができることを進めていきます。後藤(生産技術):私が入社した1983年、akebonoは東証一部に上場しました。その後、米国企業との合弁会社を設立し、2009年はボッシュ社からブレーキ事業を譲受けた。日本から海外へ進出したモノづくりの激動の歴史を私も一緒に走ってきた思いを持っています。モノづくりの軸足は日本に、目線はグローバルへ、akebonoはトップランナーで走っていければと思います。小貫(総務):ブレーキだけでなく、総務の視点で地域や国内、海外から幅広くもっともっと会社自体が信頼されるようになりたい。そのためには、日本でモノづくりを続け、若年層や高齢者への雇用も維持しながら地域の発展に寄与し続けることが大切です。これはエンドユーザーのファンのすそ野を広げることにもつながります。早川(調達):ブランドステートメントには自動車の20年後の姿が見えるような気もします。自動車は、今後、感動する車とさりげない道具としてのクルマに二極化されていくと思います。akebonoは、二極化の双方に製品を供給するために革新的な新技術開発と低コスト製品化技術の両立が必要で、それは日本のakebonoにしかできないと思います。私たちは、2029年の創業100周年を迎えてもakebonoが「曙の理念」に基づいた「モノづくりの企業」であり続けるため、日本でモノづくりを続けていきます。開発部門 商品企画部商品企画課三田 忠寛「ブレーキの将来像は、自動車や世の中の変化や地域によっても変わります。今後は現地の拠点と共同で開発することも必要です」

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です