代表挨拶
いま、すべての社員が一丸となって皆様の声にお応えする。
それが私たちの使命です。
自動車業界が大きな変革の時代を迎える中、曙ブレーキグループ(akebono)も変革のときを迎えています。加速する自動車の電動化や自動運転化にともない、ブレーキの分野においても、新顧客・新製品・新市場が生まれています。これらの変化に対応していくための礎となるのは、創業以来90年以上に及ぶ歴史の中で、長年培ってきた技術であり、それを受け継ぎ、発展させてきた社員一人ひとりです。
akebonoは、2019年10月に新経営体制を発足させ、事業再生計画の下、事業構造改革の各施策に取り組んでいます。コロナ禍の厳しい状況ではありますが、拠点の再編や生産最適化といった各施策を、事業再生計画に沿って着実に実行しています。さらに将来の持続的な成長に向けたビジネスの基盤強化も着々と進めています。
事業再生計画を達成し、その先の成長を成し遂げるためには、社員一人ひとりの力が必要です。そのための指針として、私は「5つの目指す姿」を掲げました。それは、「①徹底的にお客様第一であること」「②受身ではなく提案型、気概と執念を持ち、やり遂げること」「③コスト意識を持つこと」「④5ゲン主義(現地 現物 現認 原理 原則)であること」「⑤頑張りや成果を出す社員に報いること」の5つです。
akebonoの培ってきた技術を活かし、社員一人ひとりが力を合わせれば、事業再生計画は必ず達成できると信じています。そのための指針が「5つの目指す姿」であり、それはそのまま、当社の強みを表す言葉でなければならないと思っています。
さらに、モノづくりの企業として、世界の安全・安心に貢献する、それもまた我々の使命だと考えています。長年、サステナビリティへの取り組みを進めてきており、現在はSDGsに取り組んでいます。製造工程におけるCO2排出量を半減させた摩擦材の開発や、燃費、さらには電動車の電費を抑える、引きずり抵抗を抑えたブレーキの開発など、環境負荷低減に向けた取り組みも実施しています。こうしたakebonoの技術は、これからの社会に大きく貢献するものであると確信しています。
これらの取り組みを進める中、2021年2月には、一部製品の定期検査報告における不適切行為があったことを公表しました。対象製品の性能に問題はないものの、お客様とお約束したことを守っていなかったことは重大な問題であり、本件により、お客様をはじめとした関係者の皆様の信頼を大きく損なうこととなりました。今後、失われた信頼を回復すべく、私をはじめとした役員が先頭に立ち、コンプライアンス及びガバナンスの強化に全力で取り組んでまいります。
これらの問題を受け、akebonoは、2022年度の会社方針を「1. 企業経営基盤の再整備・強化」「2. 環境変化に応じた施策見直しと実践による事業再生計画の達成」「3. 将来の持続的成長を睨んだ、ビジネス獲得と競争力向上」と定めました。これらの方針を実現することにより、皆様の信頼回復と事業再生計画の達成につなげ、さらにはその先の将来の成長を成し遂げるべく、社員一丸となって真摯に取り組んでまいります。
皆様のご支援に心より感謝申し上げますとともに、今後とも皆様のご理解・ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
曙ブレーキ工業株式会社
代表取締役社長 CEO
宮地 康弘