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社長挨拶

自動車業界は大きな変革の時代を迎えています。この変化に対応していくための礎となるのは、創業以来95年に及ぶ歴史の中で、長年培ってきた技術であり、それを受け継ぎ、発展させてきた社員一人ひとりです。

akebonoは、2019年9月に成立した、事業再生ADR手続における事業再生計画の下、事業構造改革の各施策に取り組んできました。拠点の再編や生産最適化といった各施策を、事業再生計画に沿って着実に実行し、さらに将来の持続的な成長に向けたビジネスの基盤強化も着々と進めています。しかしながら、この数年、コロナ禍や、半導体不足をはじめとした部品供給不足などによる完成車メーカーの減産、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰など、大変厳しい状況が続きました。

このような厳しい事業環境下ではありましたが、当社は、リファイナンス資金の借入契約を締結し、この調達した資金と手元資金とを原資として、事業再生計画で定められた返済期限である2024年6月末までに借入金を完済し、これにより、事業再生計画期間は終了するに至りました。ステークホルダーの皆様には、これまでの間、多大なるご心配をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。

今後の最優先の課題は、事業再生計画期間中に達成できなかった、北米事業の再構築の完了です。米国2工場のうち1工場を閉鎖し、米国1工場体制を確立することにより、北米事業の黒字化を実現するべく取り組みを進めてまいります。

また、事業再生計画期間は終了しますが、当社を取り巻く事業環境は依然として先行き不透明な状況が続くことが想定されます。このような事業環境を踏まえ、将来の収益性を強化するため、事業ポートフォリオを見直し高収益事業領域へのリソース配分を高め、技術、品質、人財を向上させることにより、将来の持続的成長に向けた事業基盤の再構築に邁進してまいります。

さらに、モノづくりの企業として、世界の安全・安心に貢献する、それもまた我々の使命だと考えています。長年、サステナビリティへの取り組みを進めてきており、製造工程におけるCO2排出量を半減させた摩擦材の開発や、燃費、さらには電動車の電費を抑える、引きずり抵抗を抑えたブレーキの開発など、環境負荷低減に向けた取り組みも実施しています。こうしたakebonoの技術は、これからの社会に大きく貢献するものであると確信しています。

akebonoは、事業再生計画達成後の、その先の将来の成長に向けて、2024年度の会社方針を「1.将来の成長に向けた事業基盤の再構築」(①FCF60億円の必達、②市場の変遷を睨んだ事業戦略の展開)、「2.競争力の向上」(全社SQDCE活動の推進 - ①選択と集中の検討、②付加価値の向上)と定めました。特にモノづくりの企業として競争力を向上し、将来の成長につなげるため、「S:安全」「Q:品質」「D:納期」「C:コスト」「E:環境」を重要課題として、向上活動に取り組んでいます。これらの活動を着実に進め、会社方針を実現するべく、akebonoは、全社一丸となって真摯に取り組んでまいります。

皆様のご支援に心より感謝申し上げますとともに、今後とも皆様のご理解・ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

曙ブレーキ工業株式会社
代表取締役社長 CEO
宮地 康弘