1. Home > 
  2. 株主・投資家の皆様へ > 
  3. 経営方針 > 
  4. 事業等のリスク

事業等のリスク

当社グループの事業において、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、次のようなものがあると考えており、会社運営にあたり注意を払っております。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの事業、業績及び財政状態に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

特に重要なリスク

1)技術革新・新製品開発に関するリスク

当社グループは、真のグローバリゼーションの中での事業拡大を目指し、将来のニーズを予測し、必要な経営資源を技術革新・新製品開発に投入しておりますが、市場、お客様ニーズ及び業界の技術の急激な変化等により、お客様の必要とする新技術・新製品がタイムリーに開発できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

今後、急速な普及拡大が予想される電動パーキングブレーキについては当社の独自技術を活かした商用車等の高出力発生可能な重車両向け、高性能車両をターゲットとした軽量、コンパクトな電動パーキングブレーキの開発に取り組んでおります。電動サービスブレーキについては競合他社に先行した市場投入を図るべく開発を進めております。これからの自動運転開発の加速も見据え、応答性の速さ、コントロール性の良さ、小型・軽量化を重点課題として電動化開発の推進を図っております。

また、次世代製品として開発を進めているMR流体ブレーキは従来の摩擦ブレーキと全くメカニズムを変え、磁力を活用した当社独自のブレーキとなります。自動運転対応と共に摩耗粉を発生せず、音振動がないという低環境負荷、快適性をコンセプトとして現在、実用化に向けた評価に入っております。加えて、ブレーキの基本構造から新たに開発した新構造ブレーキ開発も進めております。従来製品に対して、ブレーキが安定するほか、大幅な軽量化も狙っております。xEVへのシフトに対応した製品として開発を進めてまいります。

摩擦材開発については銅フリー摩擦材のシェア拡大に向けた取り組みと共に積極的な持続可能資源の活用のもと、昨今、着眼されてきている摩耗粉抑制、回生ブレーキとの協調も含めた小型・軽量化、鉄道分野での先行した次世代摩擦材の開発を推進しております。

当社はこのような将来の環境対応を軸として、お客様ニーズに沿った開発を進めることで、新技術、新製品で他社に先行されるというリスクを抑制しながら社会貢献を図ってまいります。

2)生産技術・設備に関するリスク

当社グループは、事業再生計画に基づく生産拠点の再編を進めており、その基盤となっているのは最適生産への取り組みです。余剰設備の有効活用、工場間及び工場内での寄せ止め、生産設備の稼働率向上を進めており、国内は専門工場化へシフトすることになりますが、その結果として工場間での補完はできないことになります。

具体的には、岩槻から山陽へのドラムブレーキ移管と福島から山形へのブレーキパッド移管を実施することによる専門工場化により、生産補完ができなくなります。国内での補完はできなくとも海外工場との補完は以下のように可能となっております。ただし補完関係にある工場が海外にありBCMのリードタイムが長くなることから、タイムリーな対応・お客様の要望に応えることができずにビジネスチャンスを失い、その結果当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

海外補完体制

製品・主要部品 国内生産工場 海外生産工場
ディスクブレーキ 岩槻製造(埼玉県) ABE(アメリカ)、ABM(メキシコ)、広州(中国)、 AKBT(タイ)、AAIJ(インドネシア)
ドラムブレーキ 山陽製造(岡山県) AAIJ
ブレーキパッド 山形製造(山形県) ABG(アメリカ)、AESA(フランス)、蘇州(中国)、 AKBT、AAIJ
ブレーキライニング 福島製造(福島県) AAIJ
鋳物部品 館林鋳造所(群馬県) A&M(タイ)
ピストン 岩槻製造 AKBT、AAIJ

3)品質に関するリスク

当社グループでは、安全・安心を支える上で品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。これから電動化による構成部品等が高度で複雑な技術を利用したものが増え、また、部品等を外部のサプライヤーから調達することにより、品質確保へのコントロールが低下する恐れがあり信頼に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、品質保証契約及び社内規程による規格やルール等でデータ改ざん等の不適切な行為を行った場合など、当社グループの製品は直接安全に関わる製品であり、万が一、製品の欠陥・信頼失墜等が発生し、お客様への流出が防止できなかった場合、多大な費用の発生と社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対しては当社グループでは品質保証部門により定期監査等を実施し、リスクの低減を図っています。

4)災害等に関するリスク

当社グループは、国内外に多くの拠点を有しており、地震、台風、洪水等の自然災害や、今般の新型コロナウイルス感染症のパンデミックのように操業を停止せざるを得ないような事態に備え、事業継続マネジメント(BCM)を行っています。

しかしながら、想定を超える規模の災害や疫病が発生した場合、人的資源への影響、建屋や設備の損壊、ライフラインや情報インフラの寸断などにより生産活動が困難となり、顧客への製品供給に遅延や不能が生じることで当社グループの財政状態や業績、ひいては事業の継続に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として当社グループでは、危機管理マニュアルの整備、従業員の安否確認方法の整備、BCMの啓蒙活動とこれらに基づいた防災訓練、さらに、災害の未然防止や早期復旧を目的とした建屋の耐震補強、生産設備の転倒防止などを、安全・BCM推進部署として独立した組織で行っています。危機が発生した場合は、安全・BCM推進部署が中心となって関係する国内外の拠点を網羅して速やかに対策本部を立ち上げ、必要な措置を実行しています。

5)コンプライアンスに関するリスク

当社グループでは、akebonoグローバル行動規範、akebonoグローバル行動基準やコンプライアンス規定等の整備によりコンプライアンス推進体制を構築するとともに、各事業部門・製造拠点が自ら施策を立案し、コンプライアンス委員会において承認されたそれぞれの年間活動計画に沿ってコンプライアンス活動を推進することを中心に、ハラスメントや長時間労働防止のための労務研修、下請法違反防止・インサイダー取引防止を目的とした各種研修を行うなど、社員のコンプライアンス意識向上のための各種施策を実施しております。

また、内部通報制度としての社外相談窓口の設置とともに社内相談窓口を設置しており、それぞれの窓口に寄せられた相談については、適宜必要な調査を実施し、適切に対応しております。また、コンプライアンス活動状況と相談窓口への相談内容については、定期的に取締役会に報告しております。しかしながら、こうした対策によってもコンプライアンス上のリスクを完全に回避することまで保証できるものではなく、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、法令による処罰や訴訟の提起、損害賠償請求、ステークホルダーからの信頼低下などにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

6)情報セキュリティに関するリスク

当社グループは製品開発や製造、経営等に関わる機密情報や個人情報を保有しており、サイバー攻撃や情報機器の盗難・紛失、社内における誤操作・管理ミス等による情報漏洩のリスクがあります。これら情報が漏洩した場合、会社の信用失墜、損害賠償・法的罰則・競争力低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティ・個人情報保護について、ハード面・ソフト面(規則遵守・啓蒙活動)から漏洩防止等の情報管理の徹底に努めております。

また、想定を超える災害、その他事象によるシステムの誤動作や停止により、正常な事業の継続が困難になり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらに対しては、強固な外部データセンターにサーバー等を集約し備えると同時に、メール等の主要な情報伝達・情報共有システムをクラウド化することでリスクを最小化するための基盤を構築しています。

7)為替・金利変動に関するリスク

当社グループの事業は、各地域毎に原材料・部品の輸入、製品等の輸出の取引があります。また、当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てであり、適宜、為替バランスの監視を行っておりますが、全てのリスクをヘッジすることは難しく、その変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の海外関係会社財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、当社グループの連結財務諸表作成時においてこれらの財務諸表は円換算されるため、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が影響を受けることがあります。また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

重要なリスク

8)市場に関するリスク

当社グループにおける営業収入は当社グループが製品を生産・販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、当社グループの主要市場においても景気が後退しており、一部地域では収束に向かいつつも、従来通りの需要まで回復するのに長期間要した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、今後「CASE」への取り組みに向けた完成車メーカーを含めた業界の構図の変化による、国内外の競合他社との競争の激化等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

9)環境・安全に関するリスク

当社グループでは、地球環境保全の見地から環境問題への対応は企業としての重要な社会的責任であると考えており、持続可能な企業活動と、持続可能な社会の実現両立に向けて、環境に配慮した製品の開発、CO2排出量削減を始めとして様々な環境対策を進めております。

また、当社グループが事業を展開する各国における環境に関する規制及び自動車の安全性への規制は強化される傾向にあり、これらの規制を遵守するための技術的課題に適応する投資が必要になると予測しております。環境・安全規制への適応が難しい場合、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

10)原材料等の調達に関するリスク

当社グループは多数の外部取引先から原材料・鋼材・部品等を調達しておりますが、市況変化による価格の高騰や品不足、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等に伴う原材料・鋼材・部品等の供給停滞によって、当社グループの製造コストの上昇、生産遅延・停止が起こり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、市場における電動化の促進に伴い、より高度で複雑な技術を利用する部品の取引が増えることによるサプライチェーンの複雑化や製造コストの上昇などによって当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

11)人財に関するリスク

当社グループにとって人財は経営の基盤であり、競争力を維持・向上し続けるためには、高度な専門技術に精通した人財、経営のマネジメント能力に優れた人財を採用し、高齢化に対する技術を伝承する人財を計画的に育成することが重要であると考えております。特に近年、グローバルな事業活動を一層進めるなかで、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出の防止などの施策を講じています。これらの施策にもかかわらず、当社グループの人財育成・確保、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合、長期的視点から当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

12)知的財産に関するリスク

当社グループは、他社製品と差別化できる技術を保有しております。これらの技術は今後の当社グループの発展に不可欠なものであり、これらの技術については、積極的に特許出願をする等して権利確保に努めています。

しかし、当社グループが事業を遂行する上で自社が保有する権利以外の知的財産権の権利が必要とされる場合があります。この時、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果特定の技術、製品またはサービスを提供できなくなる可能性があります。

また、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償を受ける可能性があります。いずれの場合も当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

13)継続企業の前提に関する重要事象について

当社グループは、米系完成車メーカーの乗用車生産からの撤退や、生産混乱に起因して次期モデル用ブレーキ製品の受注を逃したこと等の新たな北米事業の課題が生じ、前連結会計年度において、多額の減損損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は183億円、連結貸借対照表の株主資本は△55億円となりました。

また、第1四半期連結累計期間においても、リコール関連損失を計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純損失は89億円、四半期連結貸借対照表の株主資本は△144億円となっており、「継続企業の前提に関する注記」を記載しておりました。

このような厳しい経営状況を踏まえ、当社は、事業再生ADR手続の下で事業再生に取り組んでまいりました。2019年7月18日には、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(以下、「JISファンド」といいます。)との間で出資契約書を締結し、9月18日開催の事業再生計画案の決議のための債権者会議の続会では、JISファンドとの協議を経て策定した事業再生計画案が、全てのお取引金融機関からの同意により成立し、事業再生ADR手続が終了いたしました。

また、9月27日開催の臨時株主総会では、JISファンドから第三者割当増資による出資を受けるために必要な各議案が承認可決されるとともに、総額560億円の金融機関による債務免除の効力が発生いたしました。9月30日にはJISファンドから総額200億円のA種種類株式の払込手続が完了しております。

以上により、お取引金融機関からの金融支援をいただき、またJISファンドからの払込手続が完了し、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しなくなったことを踏まえ、第2四半期連結累計期間において、「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消いたしました。

しかしながら、A種種類株式には普通株式を対価とする取得請求権が付されており、これにより既存株主の皆様が保有する普通株式について希薄化が生じる可能性があります。

また、対処すべき課題に記載のとおり、全ての拠点・事業部門において、聖域なき構造改革を実行し、黒字化の実現を目指しておりますが、構造改革が予定どおりに進捗しない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、上述した将来に関する事項は、2020年7月31日現在において当社グループが判断したものであります。