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事業等のリスク

当社グループの事業において、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、次のようなものがあると考えており、会社運営にあたり注意を払っております。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの事業、業績及び財政状態に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

特に重要なリスク

1)技術革新・新製品開発に関するリスク

当社グループは、真のグローバリゼーションの中での事業拡大を目指し、将来のニーズを予測し、必要な経営資源を技術革新・新製品開発に投入しておりますが、市場、お客様ニーズ及び業界の技術の急激な変化等により、お客様の必要とする新技術・新製品がタイムリーに開発できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

今後、急速な普及拡大が予想される電動パーキングブレーキについては当社の独自技術を活かした商用車等の高出力発生可能な重車両向け、高性能車両をターゲットとした軽量、コンパクトな電動パーキングブレーキの開発に取り組んでおります。電動サービスブレーキについては競合他社に先行した市場投入を図るべく開発を進めております。これからの自動運転開発の加速も見据え、応答性の速さ、コントロール性の良さ、小型・軽量化を重点課題として電動化開発の推進を図っております。

また、次世代製品として開発を進めているMR流体ブレーキは従来の摩擦ブレーキと全くメカニズムを変え、磁力を活用した当社独自のブレーキとなります。自動運転対応と共に摩耗粉を発生せず、音振動がないという低環境負荷、快適性をコンセプトとして現在、実用化に向けた評価に入っております。加えて、ブレーキの基本構造から新たに開発した新構造ブレーキ開発も進めております。従来製品に対して、ブレーキが安定するほか、大幅な軽量化も狙っております。xEVへのシフトに対応した製品として開発を進めてまいります。

摩擦材開発については銅フリー摩擦材のシェア拡大に向けた取り組みと共に積極的な持続可能資源の活用のもと、昨今、着眼されてきている摩耗粉抑制、回生ブレーキとの協調も含めた小型・軽量化、鉄道分野での先行した次世代摩擦材の開発を推進しております。

当社はこのような将来の環境対応を軸として、お客様ニーズに沿った開発を進めることで、新技術、新製品で他社に先行されるというリスクを抑制しながら社会貢献を図ってまいります。

2)生産技術・設備に関するリスク

当社グループは、事業再生計画に基づく生産拠点の再編を進めており、その基盤となっているのは最適生産への取り組みです。余剰設備の有効活用、工場間及び工場内での寄せ止め、生産設備の稼働率向上を進めており、国内は専門工場化へシフトすることになりますが、その結果として工場間での補完はできないことになります。

具体的には、岩槻から山陽へのドラムブレーキ移管と福島から山形へのブレーキパッド移管を実施することによる専門工場化により、生産補完ができなくなります。国内での補完はできなくとも海外工場との補完は以下のように可能となっております。ただし補完関係にある工場が海外にあり事業継続マネジメント(BCM)のリードタイムが長くなることから、タイムリーな対応・お客様の要望に応える事が出来ずにビジネスチャンスを失い、その結果当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

海外補完体制

製品・主要部品 国内生産工場 海外生産工場
ディスクブレーキ 岩槻製造(埼玉県) エリザベスタウン(米国)、メキシコ、広州(中国)、チョンブリ(タイ)、インドネシア
ドラムブレーキ 山陽製造(岡山県) インドネシア
ブレーキパッド 山形製造(山形県) グラスゴー(米国)、蘇州(中国)、チョンブリ(タイ)、インドネシア
ブレーキライニング 福島製造(福島県) インドネシア
鋳物部品 館林鋳造所(群馬県) ラチャブリ(タイ)
ピストン 岩槻製造 チョンブリ(タイ)、インドネシア

3)品質に関するリスク

当社グループでは、安全・安心を支える上で品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。これから電動化による構成部品等が高度で複雑な技術を利用したものが増え、また、部品等を外部のサプライヤーから調達することにより、品質確保へのコントロールが低下する恐れがあり信頼に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、「対処すべき課題」に記載のとおり、当社国内生産子会社が製造する一部製品の定期検査報告における不適切な行為について、当社グループでは、IATF 16949及びISO 9001の再認証に向けて尽力するとともに、再発防止策を着実に実行することにより、再発防止と信頼の回復に全力で取り組んでおります。しかしながら、新たに不適切な行為が判明した場合、IATF 16949及びISO 9001の再認証ができなかった場合には、当社グループの製品に対する信用低下による販売活動への影響、お客様に対する補償費用をはじめとする損失の発生、品質管理体制の強化に要する費用の増加等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

4)災害等に関するリスク

当社グループは、国内外に多くの拠点を有しており、地震、台風、洪水等の自然災害や、今般の新型コロナウイルス感染症のパンデミック、大規模火災や爆発のように操業を停止せざるを得ないような事態に備え、事業継続マネジメント(BCM)を行っています。

しかしながら、想定を超える規模の自然災害や疫病、大規模な火災・爆発などの事故が発生した場合、人的資源への影響、建屋や設備の損壊、ライフラインや情報インフラの寸断などにより生産活動が困難となり、顧客への製品供給に遅延や不能が生じることで当社グループの財政状態や業績、ひいては事業の継続に悪影響を及ぼす可能性があります。

その対応策として当社グループでは、危機管理マニュアルの整備、従業員の安否確認方法の整備、BCMの啓蒙活動とこれらに基づいた防災訓練、更に、災害の未然防止や早期復旧を目的とした建屋の耐震補強、生産設備の転倒防止などを、安全・BCM推進部署として独立した組織で行っています。

また、新型コロナウイルス感染症の蔓延の対応として、本社間接系部門の積極的な在宅勤務の推進を図っております。

危機が発生した場合は、安全・BCM推進部署が中心となって関係する国内外の拠点を網羅して速やかに対策本部を立ち上げ、必要な措置を実行しております。

5)コンプライアンスに関するリスク

当社グループでは、akebonoグローバル行動規範、akebonoグローバル行動基準やコンプライアンス規定等の整備によりコンプライアンス推進体制を構築するとともに、各事業部門・製造拠点が自ら施策を立案し、コンプライアンス委員会において承認されたそれぞれの年間活動計画に沿ってコンプライアンス活動を推進することを中心に、ハラスメントや長時間労働防止のための労務研修、下請法違反防止・インサイダー取引防止を目的とした各種研修を行うなど、社員のコンプライアンス意識向上のための各種施策を実施しております。なお、当社は、当社国内生産子会社が製造する自動車用ブレーキ製品に関し、お客様(完成車メーカー)に提出する定期検査報告書の記載において、一部不適切な行為が行われていたことを確認したため、社外弁護士で構成する特別調査委員会を設置し、事実関係の調査をしてまいりました。特別調査委員会からの再発防止提言を受け、代表取締役を委員長とする「全社風土改革委員会」を2021年3月1日付で設置し、現在、再発防止策の具体的な活動を立案、推進しております。事案の経緯と再発防止策の詳細につきましては「対処すべき課題」をご参照ください。

また、内部通報制度として、社外相談窓口と社内相談窓口を設置しており、それぞれの窓口に寄せられた相談については、適宜必要な調査を実施し、適切に対応しております。また、外部相談窓口への相談については、対応部署のみならず全ての取締役が受領することとしており、その対応と進捗については毎月取締役会に報告しております。しかしながら、こうした対策によってもコンプライアンス上のリスクを完全に回避することまで保証できるものではなく、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、法令による処罰や訴訟の提起、損害賠償請求、ステークホルダーからの信頼低下などにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

6)情報セキュリティに関するリスク

当社グループでは製品開発や製造、経営等に関わる機密情報や個人情報等の重要情報を保有しており、サイバー攻撃や情報機器の盗難・紛失、社内における誤操作・管理ミス等によりこれら重要情報が漏洩するリスクがあります。

これらの情報が漏洩した場合、会社の信用失墜、損害賠償・法的罰則・競争力低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報セキュリティに関しての最高意思決定機関として情報セキュリティ委員会を設置し、その配下に情報セキュリティ担当者・情報システム担当者を各業務部門・製造拠点に配置し、情報システム管理部署と連携し、海外子会社とも連携して、漏洩防止等の情報管理徹底に努めております。

平時は、ネットワーク・サーバー等の物理的防御に加え、外部専門家による常時セキュリティ監視を行うと同時に、人に対する情報セキュリティレベルの向上を行うために教育・訓練・啓発活動を行っています。

また有事の際は、情報セキュリティ委員会、情報セキュリティ担当者及び情報システム担当者が情報システム管理部署と連携し、初動から封じ込め、対策までを短時間で行えるよう有事フローを作成し備えています。

昨今は新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴うテレワーク・在宅勤務者が増加しております。これに対応するため、ソフト面ではテレワーク・在宅勤務時のガイドライン等による啓発活動を実施すると同時に、ハード面では外部からの不正アクセスを防止するため暗号化通信を必須とし、セキュアなネットワーク環境の提供、会社貸与デバイス以外でのネットワークアクセスを制限し、リスクの低減を図っております。

7)為替・金利変動に関するリスク

当社グループの事業は、各地域毎に原材料・部品の輸入、製品等の輸出の取引があります。また、当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てであり、適宜、為替バランスの監視を行っておりますが、全てのリスクをヘッジすることは難しく、その変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の海外関係会社財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、当社グループの連結財務諸表作成時においてこれらの財務諸表は円換算されるため、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が影響を受けることがあります。また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

重要なリスク

8)市場に関するリスク

当社グループにおける営業収入は当社グループが製品を生産・販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、規制緩和が進む地域がある一方、いまだ感染が拡大している地域がある等、終息の見通しが不透明な新型コロナウイルス感染症の状況に加え、半導体の不足による完成車メーカーの生産計画変更、世界的な海上輸送の遅延、地震などの自然災害のみならず火災などの人為的な災害による部品供給問題等、当社グループの主要市場においても、様々な課題が頻発しており、これらの影響が長引く場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、将来の脱炭素社会を目指す各国政府方針や各完成車メーカーの「CASE」への取り組みによる業界の構図の変化等、国内外の競合他社との競争環境の変化により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

9)環境・安全に関するリスク

当社グループでは、地球環境保全の見地から環境問題への対応は企業としての重要な社会的責任であると考えており、持続可能な開発目標「SDGs」の推進に向けて、環境に配慮した製品の開発、生産設備の改善、CO2排出量削減を始めとして様々な環境対策を進めております。

また、当社グループが事業を展開する各国における環境に関する規制及び自動車の安全性への規制は強化される傾向にあり、これらの規制を遵守するための技術的課題に適応する投資が必要になると予測しております。環境・安全規制への適応が難しい場合、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

10)原材料等の調達に関するリスク

当社グループは多数の外部取引先から原材料・鋼材・部品等を調達しておりますが、市況変化による価格の高騰や品不足、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等に伴う原材料・鋼材・部品等の供給停滞によって、当社グループの製造コストの上昇、生産遅延・停止が起こり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、市場における電動化の促進に伴い、より高度で複雑な技術を利用する部品の取引が増えることによるサプライチェーンの複雑化や製造コストの上昇などによって当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

自然災害(地震、豪雨浸水など)や事故(火災、爆発など)による事業継続性への影響を考慮してサプライチェーンにおける適正な在庫量の再検証を進めてまいります。

11)人財に関するリスク

当社グループにとって人財は経営の基盤であり、競争力を維持・向上し続けるためには、高度な専門技術に精通した人財、経営のマネジメント能力に優れた人財を採用し、高齢化に対する技術を伝承する人財を計画的に育成することが重要であると考えております。

特に近年、グローバルな事業活動を一層進めるなかで、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出の防止などの施策を講じています。

これらの施策にもかかわらず、当社グループの若手社員の人財育成・確保、特定のスキルを持ったベテラン社員の流出、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合のモチベーション低下や、急速な事業環境の変化に伴う従業員のストレス増大等による休職や退職者が増加した場合、長期的視点から当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

12)知的財産に関するリスク

当社グループは、他社製品と差別化できる技術を保有しております。これらの技術は今後の当社グループの発展に不可欠なものであり、積極的に特許出願をするなどして権利確保に努めています。しかし、当社グループが事業を遂行する上で自社が保有する権利以外の知的財産権が必要となる場合があります。この場合、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果、特定の技術、製品またはサービスを提供できなくなる可能性があります。

また、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償を受ける可能性があります。いずれの場合も当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

13)事業構造改革に関するリスク

当社グループは、「対処すべき課題」に記載のとおり、全ての拠点・事業部門において、聖域なき構造改革を実行し、事業再生計画の達成を目指しておりますが、構造改革が予定どおりに進捗しない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、2021年5月25日付「A種種類株式の転換制限解除事由発生のお知らせ」にて公表いたしましたとおり、当社定款に基づくA種種類株式に付されている普通株式を対価とする取得請求権及び金銭を対価とする取得請求権については、当社とA種種類株主であるジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(以下、「JISファンド」といいます。)との間で締結した出資契約(以下、「本出資契約」といいます。)において、2022年7月1日以降においてのみ行使できるとの転換制限が付されておりますが、一定の転換制限解除事由が発生した場合には、2022年6月30日以前であっても、JISファンドは普通株式を対価とする取得請求権及び金銭を対価とする取得請求権を行使できることが合意されております。この度、当連結会計年度の当社の連結営業利益の額がマイナスとなり、本出資契約に規定する水準に達しなかったため、転換制限解除事由が生じております。当該事象により、普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合には、既存株主の皆様が保有する普通株式について希薄化が生じる可能性があります。

なお、上述した将来に関する事項は、2021年6月25日現在において当社グループが判断したものであります。