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対処すべき課題

1)今後の持続的な成長に向けた取り組み

当社グループは、2019年より、事業再生ADR手続における事業再生計画の下、事業構造改革の各施策に取り組んでまいりました。事業再生計画の中では想定していなかった新型コロナウイルス感染拡大の影響や、半導体不足による受注変動の影響、原材料・エネルギーコストの市況高騰の影響などを受け、事業再生計画の数値計画は未達であったものの、2023年度には市況高騰による影響について販売価格への転嫁を進めたことや生産性向上などの合理化の効果により営業利益は32億円まで回復しました。

このような中、2024年度には、6月14日付「リファイナンス資金の借入及び支援後債権の完済、並びに事業再生計画期間終了に関するお知らせ」にて公表したとおり、ドイツ銀行東京支店をアレンジャーとするリファイナンス資金、320億円の借入契約を締結し、これらを返済原資として、事業再生計画に定められていた2024年6月30日を期限としていた既存の借入金を完済いたしました。これにより、同月28日をもって事業再生計画期間は終了いたしました。今後は、事業再生計画の残る最後の施策である北米事業の再構築の完了に向け、米国2工場のうち1工場を閉鎖し、米国1工場体制を確立することにより、北米事業の黒字化を実現するべく取り組みを進めてまいります。

このような状況下、当社を取り巻く外部環境は、物価の上昇や地政学的リスクの影響を受けて依然として不安定な状況が続いております。自動車業界では、原材料価格の高騰が課題となる中、電動化や自動運転技術の進展が求められ、さらに環境規制の強化により、持続可能な社会の実現に資する製品開発が急務となっています。加えて、米国の関税政策により国際貿易のコスト増加が予想されるなど、自動車業界は厳しい経営環境に直面しております。

当社はこのような外部環境の変化に左右されない自立した強固な企業基盤の構築を目指し、2025年度に重点的に取り組むこととして、以下の2つの方針を掲げました。

i)強い経営体質の実現
地域・事業ごとの徹底的な見える化から問題・課題を見極め、対策・施策を検討し実行
対策・施策の進捗をフォローし着実な実行に繋げ、自立的な経営、営業利益を稼げる会社へ変化

ii)生き残るために進むべき方向の明示
厳しい競争環境、変化の激しい市場で生き残るべく、かつ再成長に向けた明確な方向性を明示
中長期経営計画を策定し、経営資源を集中すべき事業を見極め、企業価値を向上

今後はこれらの方針に基づき、持続的な成長の実現に向け取り組んでまいります。

2)上場維持基準への適合

2024年度末において、当社の流通株式比率は、東京証券取引所プライム市場の流通株式比率の上場維持基準(35%以上)に適合しておりません。通常、1年以内に上場維持基準に適合することが必要となりますが、当社は、事業再生支援目的でジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(以下「JISファンド」といいます。)との出資契約を締結し、JISファンドと連携しながらリファイナンス資金320億円の借入契約の締結にあたって当社が策定した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の達成に向けて経営体質の改善を進めている最中であることから、東京証券取引所より2030年3月末までを適合に向けた計画期間とする特例適用が認められており、同計画期間内での流通株式比率の上場維持基準適合に向けて取り組んでおります。

上場維持基準適合のために、以下の取り組みを通じて企業価値を向上させてまいります。

i)企業価値向上の実現に向けた事業運営
JISファンドは、当社とより一体となって事業運営を図り、全てのステークホルダーに資する企業価値向上を実現していく意向であり、当社としても、新たな経営体制のもと、JISファンドとの連携及び信頼関係をより一層強化してまいります。

ii)本事業計画の遂行及び中期経営計画の策定とその遂行
当社は、JISファンドのモニタリングのもと、本事業計画の達成に向けた施策を進めております。また、策定を進めている中期経営計画の着実な遂行に向け鋭意取り組んでまいります。

iii)IR活動の強化
経営トップのIR活動への積極的な関与により、投資家と当社経営層の対話を促進してまいります。また、IRサイトによる情報発信をより充実させることにより、企業としての透明性を向上させてまいります。