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    業界初のFNCローターを市場に投入

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2011年12月02日

曙ブレーキ、軟窒化処理(FNC)施設を北米拠点に導入
業界初のFNCローターを市場に投入

曙ブレーキ工業株式会社(代表取締役社長:信元久隆 本店:東京都中央区 本社:埼玉県羽生市)の米国法人であるAkebono Brake Corporationは、ローターの錆に起因する振動(ジャダー)対策として、軟窒化表面処理(FNC注))を施したローターの開発を完了し、ブレーキメーカー初の量産化を目指します。テネシー州のクラークスビル工場(略称 ABCT)にローターの軟窒化表面処理(FNC)施設を導入し、2012年末より米国主要顧客へ供給を開始します。

軟窒化処理は、鉄材料の表面層に窒素と同時に炭素を導入する処理方法で硬い化合物層を形成し、耐錆性、耐摩耗性を向上させます。北米市場では、ディーラーが在庫車両をディーラーの駐車場に数ヶ月以上にわたり放置することがあるため、ローター表面が錆びることでブレーキの振動が発生する場合がありましたが、軟窒化処理をすることで、ローターの防錆能力を従来品に対し5倍と飛躍的に向上、ローターの初期品質の向上が期待できます。これにより軟窒化処理を内製化することで、生産の効率を上げるとともに利益率向上も目的としています。

この処理技術は、耐磨耗性、耐疲労性、耐熱性など、防錆能力以外のブレーキ性能の向上にも有効であることが確認されています。また今後、この軟窒化処理技術を他のブレーキ部品に転用することも検討しており、更なるブレーキの付加価値向上を図ります。

注) FNC:Ferritic Nitro-carburizing