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2014年02月17日

曙ブレーキ、マクラーレン メルセデスとの技術的パートナーシップ契約の強化について

曙ブレーキ工業株式会社(代表取締役社長:信元久隆 本店:東京都中央区 本社:埼玉県羽生市、以下akebono)とモータースポーツ最高峰のF1チームである「マクラーレン メルセデス」は、技術的パートナーシップに関する契約を強化し、2014年のF1に挑戦することを発表しました。

2014年シーズン以降、akebonoはマクラーレン メルセデスF1チームの『テクノロジーパートナー』として、F1レギュレーションの変更に対応した全く新しいブレーキシステムを開発・設計し、供給します。

akebonoは、マクラーレンのレーシングカー『McLaren 12C GT3』のキャリパーとブレーキパッドを供給しているほか、次世代超高性能ロードカー『McLaren P1™』へもブレーキの供給を行っています。

2014年のF1では、1.6リットルV6内燃エンジンからの出力と新ハイブリッド用エネルギー回生システム(ERS)の出力を組み合わせることのできる新しいパワーユニットが登場します。この変更により、ブレーキをかけたときのエネルギー回収率がラップあたり400 kJ*   から2,000 kJへ5倍増となることから、後輪に求められる制動力が大幅に増えることとなります。そこでakebonoは、後輪の制動力を補うためのブレーキ・バイ・ワイヤのリアブレーキコントロールシステムを開発しました。ドライバーがブレーキバイアスを絶えず変更する必要がなくなり、後部のロックアップ防止に寄与します。

代表取締役社長の信元久隆は次のように述べています。
「2007年にマクラーレンとの関係を構築して以来、パートナーシップ契約の強化は今回で3回目となります。マクラーレン メルセデスの強力な技術パートナーとして活動することは、世界最高のブレーキメーカーとして認識されるための重要な一歩です。F1は技術力を試すための最高の場です。新しいレギュレーションの導入は、我々にとって新しい電子制御ブレーキシステムを設計・開発する素晴らしい機会であり、我々の技術力を示すチャンスです。akebonoがマクラーレン メルセデス F1チーム、レーシングカー『McLaren 12C GT3』、および超高性能ロードカー『McLaren P1™』にブレーキを供給することは、非常に大きな成果です。関係各社や株主の皆さまには、このような短期間に当社が成し遂げた成果を大いに誇りに思って頂きたいと思います。」

マクラーレン メルセデス COOのジョナサン ニール氏は次のように述べています。
「akebonoは2007年以来、信頼できる揺ぎない協力者として、ブレーキングの際にエネルギー回生の大幅増が求められる、今年の新しいレギュレーションへの対応はもちろん、絶えず製品の革新を行ってきました。akebono の全く新しい電子式ブレーキシステムは、価値ある技術資産になることでしょう。マクラーレンの『テクノロジーパートナー』という位置づけは、技術的卓越性と製品性能を証明するものであり、容易に獲得できるものではありませんが、akebonoはこの地位を得るに相応しいパートナーです。同社は今ではF1やGTなど、マクラーレンのレーシングカー全てに特注のブレーキシステムを供給し、驚異的なロードカーである『McLaren P1™』のOEMパートナーになるに至りました。」

akebonoは2007年からマクラーレン メルセデスにブレーキ供給を開始し、世界のモータースポーツ競技の先頭に立つブレーキ技術の開発・改良を重ねてきました。これらのプロセスが、大幅な軽量化や並外れた冷却力を誇る一方で、耐熱性に優れ、剛性を維持する信頼性の高いブレーキシステムを生み出しました。

* 仕事・熱量・エネルギーの単位、キロジュールを表す記号。1キロジュール=1000ジュール(J)。
   1キロジュールは1リットルの水の温度を約4.2℃上げることのできるエネルギーの量。

曙ブレーキ とマクラーレン メルセデスF1チームの実績(2007年~2013年)
総グランプリ数:129
優勝:34 = 勝率26%
ポールポジション:30 = 5レース当り1回のポールポジション獲得
勝利点ゴール:188 = 4レース中3レースで得点を獲得

『テクノロジーパートナーシップ』契約書にサインを交わす曙ブレーキ工業株式会社 代表取締役社長 信元久隆 (左)と
マクラーレン メルセデス コマーシャル & ファイナンシャル ディレクター ジョン クーパー氏(右) (2014年1月)

 

akebono製F1用キャリパーを持つマクラーレン メルセデス ドライバー ジェンソン バトン氏(左)と、
akebono製『McLaren P1™』用キャリパーを持つケビン マグヌッセン(右) (2014年1月)

【参考資料】

曙ブレーキ工業株式会社について

曙ブレーキ工業株式会社(TSE:7238)は1929年の創業以来80年以上もの間、「安全」・「安心」を提供するブレーキ専業メーカーとして社会に貢献しています。曙ブレーキグループは、日本、アメリカ、フランス、イギリス、中国、ASEANに開発拠点を置くほか、フランスのランスにも新設を決定、自動車用ブレーキビジネスを11カ国で展開し、グローバルでの開発・生産体制を構築しています。
自動車向け製品で培った技術を活用し、二輪車用、産業機械用、新幹線を含む鉄道車両用など、さまざまな分野のブレーキや、振動解析技術を活用したセンサー製品も提供しています。2013年3月期の連結売上高は2,060億円で、社員数は約1万人です。
曙ブレーキは2002年より、ブレーキのエキスパートを目指し、さまざまなカテゴリーのモータースポーツにブレーキを供給してきました。2007年からはマクラーレン メルセデス F1チームのテクノロジーパートナーとして、ブレーキシステムの供給や共同開発を行い、ブレーキ技術の精錬を重ねています。

詳細についてはウェブサイトwww.akebono-brake.com/index.html をご覧下さい。

マクラーレンについて

ニュージーランドのレーサー、ブルース マクラーレンは1963年にマクラーレンチームを創設しました。1966年に初めてF1に参加して以来、マクラーレンは世界チャンピオンシップで20回、グランプリで180回以上の優勝を飾りました。マクラーレンは、今やスポーツ界で最も成功したチームの一つとして世界中で知られ、世界で最も傑出したハイテクブランドの一つとしても名を馳せています。

マクラーレングループは、グランプリレースに留まることなく成長を遂げました。マクラーレンは1990年代にオリジナルスーパーカー、『McLaren F1』を生産し、マクラーレン・オートモーティブを立ち上げ、世界に冠たる『12C』、『12C Spider』、『McLaren P1™』などの高性能車を投入しました。

マクラーレン アプライド テクノロジーズは、高性能デザイン、性能管理、シミュレーションシステムにおける専門知識を利用する戦略的ビジネスパートナーシップを構築しています。同社はまた、F1、インディー・カー及びナスカーのグリッド全体のためのコントロールユニットの開発、生産、メンテナンスサービスなども行っています。

マクラーレン メルセデスチームは、2009年のワールドチャンピオン ジェンソ バトンとデンマークのケビン マグヌッセンの二人のドライバーで2014年FIA F1ワールドチャンピオンシップに参戦します。両ドライバーは新しいF1マシン『マクラーレン メルセデス MP4-29』でシーズンを戦います。