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対処すべき課題

1.前中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2013」の総括

前中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2013」では「将来に向けた技術の差別化」「革命的な原価低減に向けた努力の継続と海外への展開」「日米中心から日米欧アジアへのグローバル化の加速」の3つの重点施策を掲げて展開を行ってまいりました。

「将来に向けた技術の差別化」については、ハイパフォーマンスブレーキの新しい分野に進出し、お客様のグローバルプラットフォームに対応したグローバル供給体制も確立、環境対応の製品の供給も開始するなど、一定の成果が上がりましたが、利益面での課題は残りました。また、電動ブレーキについても市場参入に遅れはあるものの、その開発体制は確立し、継続開発中であります。

「革命的な原価低減に向けた努力の継続と海外への展開」については、国内では埼玉県の岩槻製造から岡山県の山陽製造へドラムブレーキ生産を集約するなどの効率化を行いました。一方で、特に北米への展開においては需要が急拡大したことによる生産混乱などにより実現できませんでした。

「日米中心から日米欧アジアへのグローバル化の加速」については、グローバル人財の登用を積極的に実施いたしました。また、ベトナム・メキシコに引き続き、昨年はスロバキアで拠点を立上げ、生産を開始しました。

2.新中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2016」

2016年度からの3ヶ年計画である新中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2016」では、製品別の事業展開をグローバルベースで行うことを基軸とした更なる競争力の強化、経営基盤の確立を図ります。新中期経営計画は「北米事業の立て直し」、「製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立」及び「ハイパフォーマンス(高性能量販車)ビジネスの拡大と欧州事業の新築」の目標を掲げ、これらの目標を達成することにより「健全な財務体質への回復」を実現し、持続的成長に繋げてまいります。

概要は以下のとおりです。

北米事業の立て直し

一昨年から発生した生産混乱に起因したエキストラコストの影響で、北米事業は大幅な赤字の計上を余儀なくされました。当社は、この問題の解決を当社グループの最優先課題として捉え、早期の事業基盤再建に向けた現地主導によるマネジメント体制を強化することにより組織の抜本的な改革を実行中であります。具体的には、外部機関の支援も得て、事業の現状の再把握と課題及び問題点のレビュー、商品群の収益性の再レビュー、生産拠点の最適化、販売管理費の削減、間接コストの低減、品質安定及び緊急出荷の削減、マネジメントレベルの入替、人員の適正化など諸施策を実施してまいります。また、売上重視から脱却し利益重視に転換し、原価低減による採算性を優先するとともに、生産コストのムダも徹底的に排除することにより収益性の改善を図り、経営の改革をさらに加速いたします。米国で実績のある人財を最高経営責任者CEOとして採用し、次いで最高財務責任者CFOも新規採用し、スピードをもって経営体制の一新に着手しております。

製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立

グローバルレベルでビジネスの多様化が進む中、当社は、日本・北米・欧州・アジアの各地域で展開しているビジネスの連携を更に深めることを目的に、地域を限定しない製品別事業部制を発足します。この新組織は営業・開発・調達・生産などの機能を製品別に振り分け、グローバルで知見を共有することにより、多様化するお客様ニーズに対応してまいります。そのために、まずはディスクブレーキ及び摩擦材における「標準」を確立し、グローバルでのデータベースを構築しながら、S+t(標準化+特性)をベースにした製品戦略を推進し、グローバルでのビジネス拡大を目指します。具体的には、(1)ハイパフォーマンスブレーキ事業、(2)インフラモビリティ(産機・鉄道・センサー、新規等)事業、(3)補修品事業、(4)フリクション(摩擦材)事業、(5)ファウンデーションブレーキ(車両搭載用ブレーキ)事業の5つの事業部を設けることにより、それぞれの製品を軸にしたグローバル展開を実行いたします。

ハイパフォーマンス(高性能量販車)ビジネスの拡大と欧州事業の新築

これまで、欧州ではフランスのAkebono Europe S.A.S.にて摩擦材を製造しておりましたが、2015年に新設したスロバキアのAkebono Brake Slovakia s.r.o.にてディスクブレーキを製造することにより、欧州において一貫した生産供給体制の確立を目指します。また、2016年1月から新設したハイパフォーマンス向けビジネスを専任とする事業部が主体となり、欧州事業拡大の試金石となったハイパフォーマンス向けの技術を現在の日本・北米・アジアにおける量販車向け技術に融合・適用させ、より一層の差別化を図り、グローバルレベルでの展開に繋げてまいります。

健全な財務体質への回復

ビジネスの積極的な拡大を目指した売上至上主義により、生産能力を大幅に上回る受注を受けた結果、生産混乱に起因したエキストラコストが発生したこと等で、北米事業で類を見ない赤字を計上するに至りました。今回の教訓を踏まえ、今後は利益及びキャッシュの捻出を最優先とし、北米の事業基盤再建による収益性の改善を始め、徹底したコスト管理による不採算案件の是正により収益力を向上させ、有利子負債の削減を推進し健全な財務体質への回復を進め、持続的成長に繋げてまいります。

3.不適切会計について

当社は、2016年3月期第2四半期決算において、売上認識に関わる不適切会計処理の可能性について、会計監査人より指摘を受けました。当社では、独立性・客観性を持つ有識者を中心とする調査委員会を設置して調査を進め、また並行して社内での調査・検証を行った結果、不適切な会計処理があった事実を認定いたしました。これに基づき、関与者に対して厳正な処分を行い、取締役の一部においては報酬の一部を自主返納いたしました。

なお、いずれの取引においても実態としては翌期分の売上の前倒しであり、実体のない売上を計上したものではないこと、また売上代金の回収は確実にされており、売上後に返品処理もされていないことから、売上そのものの実在性に問題はないと判断いたしました。これらを踏まえ、当該不適切会計処理が過年度及び2016年3月期第1四半期の決算に与える影響は軽微であると判断し、決算の訂正は行わないことといたしました。

当社は、調査委員会からの再発防止策策定に関する提言を受け、コンプライアンスや内部統制等の体制と運営を一層強化し、再発防止に向けて努めてまいります。