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決算サマリー

※akebonoグループは、日本会計基準を採用しています。

連結業績ハイライト

2016年3月期(注1)における当社グループの業績は、国内において自動車生産が引き続き低調なこともあり減収となりましたが、海外市場においては、北米で自動車販売が過去最高の水準で推移したことや中国での新規受注の増加、欧州でのキャリパービジネスの拡大、円安による為替換算の影響(222億円)などもあり、売上高は過去最高の2,813億円(前期比10.7%増)となりました。利益面においては、中国での受注の拡大、国内拠点やアジア拠点での生産・調達合理化、経費削減などによる効果もあり、これらの地域については利益を確保しましたが、北米において一昨年に発生した生産混乱による影響が長期化したことから労務費や空輸等による緊急輸送費などの追加費用が継続して発生した影響が大きく、連結ベースで38億円の営業損失(前期は営業利益40億円)となりました。経常利益は為替差損の影響や支払利息等もあり68億円の損失(前期は経常利益28億円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の一部を売却し特別利益を計上しましたが、北米において主にケンタッキー州のエリザベスタウン工場(以下、ABE)などでの固定資産の減損損失の計上、事業構造改善引当金繰入額の計上やリコール関連損失(注2)を計上したこともあり、195億円の損失(前期は親会社株主に帰属する当期純損失61億円)となりました。

特別損益について

一昨年来大幅な赤字の計上を余儀なくされている北米事業の早期の安定的な黒字化は、当社グループの最優先の経営課題であります。その実現に向けて現地経営体制の一新、販売品目の見直し、生産体制の変革など、大きく北米事業の改革に着手し、着実に効果が出始めておりますが、北米事業の業績回復をより早期に実現するために第4四半期において、大幅な資産の減損等を行うことにいたしました。
具体的には、当社の北米事業の主要生産拠点であるABEにおいて生産設備の減損処理を行いました。ABEは過大な受注による生産混乱からエキストラコストの発生が常態化する事態に陥っていますが、生産品目の収益性、生産体制などの問題を抱えており、抜本的な収益性向上を目指し再度将来の回収可能性を検討した結果、当期末において、ABEが保有する固定資産について、約69百万USドルの減損処理をすることとなりました。またABCS、テネシー州のクラークスビル工場においても個別に不稼働の生産設備について減損することとなりました。
併せて、北米事業の経営体制の改革に関わる費用(退職金引当などを含む、事業構造改善引当金繰入額)5億円を計上しております。
その他、日本セグメントにおいて、投資有価証券売却益50億円、減損損失4億円を計上しております。

<特別損益の内訳>

  第3四半期(累計) 第4四半期 通期
投資有価証券売却益(日本)
その他
33億円
1億円
17億円
0億円
50億円
1億円
特別利益合計 34億円 17億円 50億円
固定資産減損損失
(内、米国)
(内、日本)
事業構造改善引当金繰入額(米国)
リコール関連損失(米国)
固定資産除売却損
16億円
(16億円)
-
-
8億円
2億円
102億円
(98億円)
(4億円)
5億円
-
4億円
118億円
(114億円)
(4億円)
5億円
8億円
6億円
特別損失合計 26億円 111億円 137億円

(注1)2016年3月期とは、

(1)北米・中国・タイ・インドネシア : 2015年1月~2015年12月
(2)日本・欧州 : 2015年4月~2016年3月

となります。

(注2)2015年6月12日付けの「米国GM社向け製品の不具合について」にて公表

→連結業績ハイライト

セグメント別(地域別)業績の状況

  • (1)日本
    国内自動車市場は当年度から導入された軽自動車を対象にした増税の影響により、軽自動車の需要が低迷し、国内自動車市場全体に影響を及ぼしました。当社国内事業においても、自動車生産の低迷による減収や海外向け補修品売上高の減少による影響が大きく、売上高は831億円(前期比4.2%減)となりました。利益面では、受注減少による影響やグローバル化に伴う海外グループ企業の研究開発費の負担増加などの影響があり、業績連動による賞与等の人件費の減少、生産・調達の合理化や経費削減の効果などがあったものの、営業利益は33億円(前期比9.5%減)となりました。
  • (2)北米
    米国における自動車販売台数は、原油価格の下落や積極的な販売金融供与が追い風となり、過去最高の水準で推移しました。当社北米事業においても、旺盛な需要を反映した主要完成車メーカーからの受注の増加、及び為替換算による影響(201億円)などにより、売上高は1,669億円(前期比19.0%増:USドルベースでは4.6%の増加)となりました。一方、利益面では、生産混乱収束に向け生産性改善や他拠点への生産移管など様々な対策を講じましたが、当初の計画を大幅に下回り、メキシコも含め、112億円の営業損失(前期は営業損失32億円)となりました。
    ABEでの一昨年からの生産混乱は、日本からの設備保全支援や生産移管による同工場での生産負荷低減など諸施策の実行による効果が一部実現しているものの、依然として受注量の高止まりにより3直7日(週7日、1日24時間体制)稼働を全廃するには至らなかったことから、人件費の削減が実現出来ず、当該拠点として2期連続の赤字を計上せざるを得ない状況となりました。
    ケンタッキー州のグラスゴー工場(以下、ABG)においても、一昨年末からの受注の急増により、休日出勤による労務費の増加、生産逼迫による緊急輸送費などの追加費用が継続的に発生しました。この状況に対応する為、昨年5月に生産ラインの増設、日本からの保全や生産の専門家を派遣しての生産効率改善の実行や、ディスクブレーキパッドの生産の一部を日本や他のグローバル生産拠点に順次移管するなどの対策を講じましたが、想定していたとおりに生産性が改善しなかったこともあり、一部緊急輸送が継続的に発生いたしました。 サウスカロライナ州のコロンビア工場(以下、ABCS)においても、過重な生産負荷に加え、アルミ鋳造設備の故障を原因とする稼動率の著しい低下による客先への納入遅延回避のため巨額の緊急輸送費(空輸費用など)が発生し、大幅な損失を計上しました。故障した鋳造設備については順次修理が完了し、生産能力の回復につれ緊急輸送費は大幅に減少しました。しかしながら、依然として受注は増加しており、当第4四半期において一部完成車メーカーへの対応により冬季休暇 返上による残業代などの追加費用が発生しました。
  • (3)欧州
    穏やかな経済回復の影響を受け、自動車販売台数は前期比で増加しましたが、依然として欧州債務危機前の水準を下回っております。当社欧州事業においては、一部の補修品ビジネスが減少したものの、グローバルプラットフォーム(全世界での車台共通化)に対応した製品(当社アジア拠点からの輸入)や、高性能量販車に対応したキャリパー製品の売上(当社北米拠点からの輸入)が好調なこともあり、売上高は109億円(前期比22.2%増)となりました。利益面では、スロバキア工場の操業開始に伴い人件費や減価償却費等の費用が嵩んだことや将来の拡大を睨んだキャリパービジネスの営業体制構築に伴う費用が発生しましたが、ディスクブレーキパッドの販売価格の適正化、パッド生産工場の生産工程の改善効果が出始めてきていること、及び調達合理化などもあり、営業損失は9億円(前期は営業損失5億円)にとどまりました。
  • (4)中国
    当年度前半における自動車販売台数は需要の低迷や在庫の積み上がりにより前年比微増に留まりましたが、10月に導入された小型車(排気量1600cc以下)を対象にした減税効果により、年後半に販売需要が大幅に増加しました。当社中国事業においては、グローバルプラットフォーム向け製品の販売増加や新規客先向けビジネスを含む受注の拡大、円安による為替換算の影響(20億円)もあり、売上高は194億円(前期比36.0%増:現地通貨ベースでは22.3%増加)となりました。利益面では、減価償却費の増加・人件費の上昇などがあったものの、受注の拡大による利益増加や生産・調達合理化、経費削減効果などもあり、営業利益は25億円(前期比50.5%増)と大幅な増益となりました。
  • (5)タイ
    依然として国内販売台数は低迷が続いておりますが、輸出台数はピックアップトラックに加えて、エコカーの世界拡販が加わった影響を受け、同国に於ける車の生産台数は過去最高を更新しました。当社タイ事業においても、内需の不振を好調な輸出が補い、完成車メーカーに加え、中近東向けを中心にした補修品売上高が増加したことから、売上高は60億円(前期比9.8%増)となりました。利益面では、減価償却費の増加などがありましたが、補修品の受注増加による利益貢献が大きく、営業利益は5億円(前期比81.1%増)と増収増益になりました。
  • (6)インドネシア
    当年度における自動車、二輪車市場は生産・販売ともに前年比で大きく下回ったものの、国内販売市場は中長期的に今後更なる拡大が期待されます。当社インドネシア事業においては、内需の低迷や日系四輪自動車メーカーにおける年度末の在庫調整による減産、二輪車メーカーからの受注の減少などがあったものの、欧州向けグローバルプラットフォームに対応したブレーキ製品の出荷が好調だったことなどもあり、売上高は166億円(前期比1.1%増)となりました。利益面では、受注の減少に加え、人件費の上昇や減価償却費の増加等もあり、営業利益は17億円(前期比7.6%減)となりました。

→地域別業績

資産、負債および純資産の状況

(資産)
2016年3月期末の資産は2,044億円と2015年3月期末比215億円の減少となりました。
流動資産は841億円と2015年3月期末比37億円の増加となりました。主な要因は、当期末に長期借入金150億の実行により現金及び預金が80億円増加した一方で、受取手形及び売掛金が38億円減少したことによるものです。固定資産は1,203億円と2015年3月期末比252億円の減少となりました。主な要因は、北米において固定資産の減損損失を計上したことなどにより有形固定資産が93億円減少したことや保有株式の売却などにより投資有価証券が144億円減少したことによるものです。

(負債)
2016年3月期末の負債は1,743億円と2015年3月期末比83億円の増加となりました。
流動負債は846億円と2015年3月期末比159億円の減少となりました。主な要因は、社債の償還により1年内償還予定の社債が150億円減少したことによるものです。固定負債は897億円と2015年3月期末比243億円の増加となりました。主な要因は、保有株式の売却などにより繰延税金負債が35億円減少した一方で、長期借入金が265億円増加したことによるものです。
なお、有利子負債残高(1,198億円)から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は994億円であります。

(純資産)
2016年3月期末の純資産は301億円と2015年3月期末比298億円の減少となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失195億円の計上や配当金の支払いなどにより利益剰余金が201億円減少したこと、保有株式の売却などによりその他有価証券評価差額金が73億円減少したことによるものです。

→連結財務パフォーマンス

連結キャッシュ・フローの状況

2016年3月期末の現金及び現金同等物は、2015年3月期末比80億円増加の204億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
75億円の収入(前期比27億円の収入減少)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失155億円や法人税等の支払額25億円があったものの、減価償却費131億円や減損損失118億円のほか運転資金が36億円改善したことなどにより、資金が増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
101億円の支出(前期比76億円の支出減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入86億円があった一方で、北米を中心とした新規モデル立上げ準備に伴う設備投資やABEでの生産対応投資などにより有形固定資産の取得による支出175億円があり、資金が減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
112億円の収入(前期比54億円の収入増加)となりました。主な要因は、約定返済に伴う長期借入金の返済による支出166億円や社債の償還による支出150億円があった一方で、長期借入れによる収入431億円などにより、資金が増加したものです。

  2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期 2016年3月期
自己資本比率(%) 24.9 26.4 23.9 11.6
時価ベースの自己資本比率(%) 30.8 31.5 26.5 18.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 11.8 4.8 10.6 15.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) 6.5 14.1 8.6 4.3

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  • (注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
  • (注2)株式時価総額は発行済株式数をベースに計算しております。
  • (注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
  • (注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。

→連結キャッシュ・フローの状況

連結業績予想

2017年3月期(2016年度)のグローバルにおける主要地域の自動車販売動向は概ね増加傾向にあります。地域別では、日本は平成29年(2017年)4月に予定されている消費税率引き上げや熊本地震の国内需要に与える影響が見通せない状況です。北米は政策金利の引き上げやマクロ景気停滞による需要への影響が懸念されていますが、依然として高い水準での販売が予想されています。欧州におきましても景気回復の影響を受け販売の増加が予想されております。中国においては成長が鈍化しつつも、SUVを含む小型車の需要が続くと予想されております。ASEAN地域においてはインドネシアが前年比で増加、タイにおいては今期に引き続き減少が見込まれております。

当社グループにおける次期の見通しは、国内は今期とほぼ同等の売上・営業利益を見込みます。北米においては他地域への生産移管等により売上は減収を予定しておりますが、利益面では一昨年以降の生産混乱に起因したエキストラコスト発生等による大幅な業績赤字の改善を最優先事項として取り組みます。具体的には収益性を優先した受注の絞込みや生産移管による生産負荷の低減と生産性の向上に加え、緊急輸送費の大幅な削減と今期に実行した固定資産の減損や事業構造改善引当金繰入額の計上により、次期以降の経営負担を緩和させ、営業損失の大幅な縮小に繋げてまいります。また、外部機関の支援も得て、事業の現状の再把握と課題及び問題点のレビュー、商品群の収益性の再レビュー、生産拠点の最適化、販売管理費の削減、間接コストの低減、品質安定及び緊急出荷の削減、マネジメントレベルの入替、人員の適正化など諸施策を実施してまいります。経営の改革をさらに加速させるべく、体制に関しては、米国で実績のある人財を最高経営責任者CEOとして採用し、次いで最高財務責任者CFOも新規採用し、経営一新に着手いたしました。これらの展開をスピードを上げて実施することにより、次期2017年3月期(2016年度)はまだ営業赤字の解消まで至らないものの(△45億円)、2018年3月期(2017年度)から施策実行の効果が数字に表れ(12億円の営業黒字)、2019年3月期(2018年度)には35億円の営業利益を目指しております。アジアにつきましては、引き続き中国を中心とした積極的な事業展開により売上は増収する予定になるものの、利益面においては製品別構成比率の変化、労務費の高止まり、環境対策費用などもあり、今期並みの営業利益を見込んでおります。一方、欧州につきましては、売上は微減、営業損失は製品別の構成変化とともに、将来に向けた高性能量販車向け生産立上げ費用により営業損失が拡大する見込みとなっております。

地域セグメント毎の売上高、営業利益は下表のとおりです。

<2017年3月期地域別業績予想>

(単位:億円)
  売上高 営業利益
日本 819 30
北米
(内、米国)
(内、メキシコ)
1,567
(1,552)
(15)
△49
(△45)
(△4)
欧州 101 △15
中国 213 25
タイ 64 4
インドネシア 162 19
連結消去 △213 2
連結合計 2,713 16

為替レートは、通期平均で1米ドル=115円、1ユーロ=125円を前提としています。

営業外損益については、営業外費用として支払利息等で15億円かかると見ており、経常利益は1億円を見込みます。
特別利益については、当社保有の資産売却等により33億円程度を計画として見込んでおり、親会社に帰属する当期純利益は2億円の黒字を見込んでおります。
また、熊本地震に加え、現在発生している三菱自動車の一連の問題については、今後の受注動向が不透明な部分があるため、これらの影響額については次期の見通しには入れておりません。

→連結業績予想